【79期向け】修習生の就職活動に関するスケジュールや情報収集について解説|法律事務所や企業ごとの違いや先輩方の体験談など
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79期修習生の就職活動の流れ
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79期の法律事務所就活の情報収集とスケジュール
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79期のインハウス就活の情報収集とスケジュール
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就活で準備すべきこと
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先輩方の声
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まとめ:満足のいく就活は、早めの準備から
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司法試験に合格して一息つく間もなく、修習が始まり、そして就職活動の波がやってきます。
法律事務所や企業の採用は、一般の新卒採用とはまったく異なるリズムで進み、「短期集中・スピード勝負」になることもしばしば。出遅れれば、選択肢が一気に狭まってしまう可能性もあります。
だからこそ、「いつ、何をすればいいのか」をあらかじめ知っておくことが大切です。
この記事では、79期司法修習生の就職活動について、法律事務所・インハウスそれぞれの情報収集方法やスケジュールの違い、先輩たちのリアルな体験談まで、実践的な内容をまとめています。
「出遅れたくない」「でも何から始めたらいいかわからない」という修習生の方は、まず全体像を掴み、一歩目を踏み出すためのガイドとして活用してください。
79期修習生の就職活動の流れ
司法修習生の就職活動は、大きく分けて以下の4ステップで進んでいきます。流れ自体はシンプルですが、「いつ、どう動くか」で結果に大きな差が出るのが現実です。
① 情報収集
事務所や企業の特徴を調べ、自分の志向やキャリアの方向性に合った進路を検討します。先輩やOB・OGから話を聞いたり、求人サイトや説明会を活用したりして、まずは“知る”ことからスタート。
② 応募
履歴書やエントリーシートを準備して、気になる事務所・企業にエントリー。法律事務所の場合は、3〜10か所に応募する人が多く、「比較して選ぶ」前提で動いている人が多数派です。
③ 面接・面談
1回〜数回の面接や面談を経て、内定が出ます。タイミングが重なると、複数の内定を同時に持つこともあるため、判断力とスケジュール管理力が求められるフェーズです。
④ 内定・入所決定
条件や働く雰囲気などを比較しながら、最終的な入所先を決定します。「最初に出た内定で決めなくてよかった」「比較したことで自分の軸が見えた」という声も多く、“比較して決める”就活が主流です。
当社が独自に行った修習生アンケートでは、約半数がロースクール2年の夏から就活を意識し始め、合格発表後すぐに動き出したという人も多数いました。「年々、内定の時期が早まっている」という声もあり、早めの準備が有利に働く傾向は年々強まっています。
79期の法律事務所就活の情報収集とスケジュール
法律事務所の就職活動は、事務所の規模やタイプによって“動き出しの速さ”がまったく違うのが特徴です。
特に大手・準大手事務所は、司法試験の合格発表を待たずに動き始めることもあるため、「試験が終わってホッと一息」していると、すでに選考は始まってるなんてことも。
まずは、どこから情報を集めるか、そしていつ頃どんな事務所が動き出すのかを整理しておきましょう。
■情報収集の方法
当社が行ったアンケートによると、法律事務所の情報を得る手段として、以下のようなルートが多く活用されています。
・事務所の公式HP
・求人サイト(ひまわり求人、アットリーガルなど)
・ロースクール・大学のキャリアセンター
・合同説明会・三会主催イベント
・先輩や友人、OB・OGとの面談や相談
・クラーク・インターンシップの参加
・就職支援エージェント
なかでも大手・準大手の事務所は、求人情報をひまわり求人などに掲載しないことも多く、公式HPや説明会情報を定期的に確認することが欠かせません。
また、OB・OG訪問やクラークを通じて、実際の雰囲気や働き方を知ることが、志望先の検討にも役立ちます。
■スケジュール(79期想定)
各事務所の採用時期にはばらつきがありますが、以下のような傾向が見られます。
▶大手法律事務所(2025年5月〜11月頃)
司法試験直後から採用活動が始まる事務所が多く、早ければ夏前に内定が出るケースも。限られた期間で選考が集中するため、スピード感を持った行動が必要です。
▶準大手法律事務所(2025年8月〜2026年3月頃)
採用スケジュールは大手と同様に早期化が進んでおり、サマークラークや秋の説明会などを通じて選考が進みます。応募機会を逃さないためにも、各事務所の動向をこまめにチェックしておきましょう。
▶一般民事・地方事務所(2025年11月〜2027年3月頃)
この期の採用は事務所ごとのタイミングによるところが大きく、通年で募集しているケースもあります。そのため、複数の事務所に応募し、自分に合った環境を比較・検討するという就活スタイルが主流です。
アンケートでも、民事系事務所への応募は3〜10か所程度が多く、複数の内定を得て比較してから決定するという声が多く見られました。「まずはいろいろ受けてみてから考えた方がよい」というアドバイスも多く、早めに情報を集めて選択肢を広げておくことが就職活動の成功につながります。
79期のインハウス就活の情報収集とスケジュール
企業法務(いわゆるインハウス)の就職活動は、法律事務所に比べてスケジュールにやや余裕があるのが特徴です。ただし、「余裕がある=遅くていい」というわけではなく、合格発表後から年末にかけてが最も活発な時期となっています。
当社のアンケートによると、インハウスを志望した修習生の多くが、合格発表後〜11月頃に活動を開始し、説明会や面接を経て年内に内定を得ているケースが多数。一方で、企業によっては年明け〜修習直前(2〜3月頃)まで採用を継続しているところもあり、柔軟な応募スケジュールもインハウスの大きな特徴です。
■情報収集の方法
企業の採用情報は、法律事務所ほど表に出ていない場合も多く、複数の手段を使って情報を集めることが重要です。
▶企業の採用ページ
法務部門の募集は「中途採用ページ」に掲載されていることが多いため、定期的な確認が必要です。
▶三会合同説明会・各種就職イベント
合格発表後〜11月にかけて開催される説明会は、参加企業も多く、情報収集の重要な場となります。
▶大学・ロースクールのキャリアセンター
学内ルートを通じて非公開求人や推薦の機会が得られることもあります。
▶OBOG訪問
実際にインハウスで働いている先輩の声は、業務の実態や社風を知る上で非常に参考になります。
▶エージェント活用
修習生向けの非公開求人を扱うエージェントもあり、幅広く情報を得たい場合に有効です。
アンケート結果でも、「情報が少ない分、説明会にはできるだけ参加した」「エージェント経由でスムーズに内定まで進めた」という声が多く寄せられました。企業法務就活では、人脈や専門的なサポートを活かす姿勢が成功のポイントになります。
■スケジュール(79期想定)
インハウスの採用活動は、以下のような流れで進むことが多いです。
| 時期 | 内容 |
| 合格発表後〜11月 | 活動開始/情報収集・説明会参加など |
| 11月〜12月 | 応募・面接が集中するピーク期間 |
| 1月〜3月(修習前) | 内定獲得・入社先決定の時期 |
※企業によっては通年でポジションを募集しているケースもあり、選考のタイミングは柔軟に設定されることがあります。
法律事務所と比べて選考期間に余裕がある分、業界研究や企業比較にしっかり時間をかけられるのも、インハウス就活の魅力のひとつです。
特に初めて企業法務を志望する方は、業界を絞りすぎずに、幅広く説明会や面談に参加してから志望先を選ぶことで、自分に合った企業と出会いやすくなります。
就活で準備すべきこと
就職活動では、情報収集だけでなく、服装・書類・面接対策などの基本的な準備も早めに進めておくことが大切です。
修習生の多くが初めて本格的な就活に取り組むこともあり、「何を、いつまでに準備すればいいか」をあらかじめ把握しておくことで、選考本番を安心して迎えることができます。
■服装の準備
就職活動において第一印象は想像以上に大きな影響を与えます。面接や説明会に備えて、清潔感と信頼感を意識した服装を用意しておきましょう。
・スーツ:黒・ネイビーなどのベーシックなリクルートスーツが基本
・靴・鞄・身だしなみ:派手すぎず、シンプルかつ清潔感のあるアイテムを選ぶ
・身だしなみ全般:髪型や爪などの細かい部分も含め、落ち着いた印象を意識する
アンケートでも、「第一印象は意外と重要だった」という声が多く寄せられています。
■書類の準備
応募に必要な書類は、事務所や企業によって異なるため、早めの準備が肝心です。
・履歴書・エントリーシート:応募先に応じた形式に対応できるよう、ひな形を用意
・成績証明書・卒業証明書:発行までに時間がかかる場合があるため、余裕を持って手配
書類を準備する中で、「自分は何を大事にしたいのか」が見えてくることもあります。志望先への理解を深めるための、大切なステップとして取り組んでみてください。
■面接対策
就職活動では、短期間に複数の面接が重なるケースも多く、事前の準備が本番での安心感につながります。
・自己紹介・志望動機
面接では最初の印象が大きく影響するため、1分程度で簡潔に自分を伝えられるようにしておくと、スムーズなスタートが切れます。
・よく聞かれる質問の準備
「志望理由」「学生時代に取り組んだこと」「将来のキャリアビジョン」などは定番の質問なので、あらかじめ自分なりの答えを用意しておくことで、落ち着いて話せるようになるでしょう。
・模擬面接の活用
大学のキャリアセンターや就職エージェントでは、第三者からのフィードバックを受けられる場が用意されていることもあり、本番前の練習としておすすめです。
本番では緊張してしまうこともありますが、自分の言葉で丁寧に伝えることを意識すると、誠実な印象につながりやすくなります。
■インハウスロイヤーを志望する場合の追加準備
企業法務(インハウス)を志望する場合は、法律事務所就活とは異なる対策が求められることがあります。
・筆記試験(SPIなど)の対策
適性検査を課す企業もあるため、早めに参考書などで対策を始めておくとよいでしょう。
・業界研究
金融・IT・メーカーなど、企業ごとに求められるスキルや業務内容を把握しておくと、志望動機の説得力も増します。
先輩方の声
実際の就職活動を経験した修習生からのアンケートには、これから就活に臨む方へのヒントが詰まっています。ここでは、準備や応募、面接で役立った実感や、迷いのなかでの選択など、リアルな声を抜粋して紹介します。
■早めの準備が功を奏した
司法試験合格後すぐに採用活動が始まることもあるため、事前準備の重要性を実感した先輩の声です。
「合格発表の翌週にはもう面接が入っていて驚いた。事前に準備しておいて本当によかった」
――20代・男性/法律事務所志望/3所応募・1社内定
「出遅れると、行きたかった事務所の募集がすでに終わっていた……ということも」
――20代・男性/関西で就職活動(東京でも併願)
■複数応募で見えてくる「自分に合う場所」
第一志望に固執せず、比較することの大切さを語る声です。複数内定を得た人の視点は、戦略の参考になります。
「最初に内定が出たところで決めず、他も受けたからこそ納得できた」
――20代・男性/法律事務所志望/5所以上応募・2所内定
「比較することで、自分が何を重視しているかがはっきりした」
――30代後半・男性/法律事務所志望/5所以上応募・2所内定
■面接は「見られる場」でも「伝える場」でもある
面接での印象や、緊張の中での振る舞い方に関するアドバイスです。準備だけでなく、自分らしさを伝える工夫が光ります。
「ぎこちない話し方にならないように深呼吸してリラックスすることに努めた」
――20代・男性/インハウス志望/3所応募・1社内定
「明るく元気よく回答するように工夫していました。雰囲気も見られていると思うので」
――30代後半・男性/法律事務所志望/5所以上応募・2所内定
■書類は「自分を語る」道具
書類選考を通して、自己理解が深まったと語る声や、「書いて出せばいいものではない」と気づいた先輩の声です。
「志望動機などが一読して分かりやすいか、入念に確認した。法律家は日本語を使う職業。日本語がきちんと使えていない応募者は、それだけで落とされると考えた」
――20代・男性/法律事務所志望/5所以上応募・1所内定
「志望理由を記載する際、単なる希望ではなく、経験に基づいて“なぜそう思ったか”まで書くようにした。書類を書く過程で、自分が何をしたくて、どんな弁護士になりたいかがはっきりしてきた」
――30代後半・男性/法律事務所志望/5所以上応募・2所内定
■関西で就活した理由、してみた感想
地域に根ざした就活を選んだ理由や、実際に感じた雰囲気についての声です。関東との違いを意識した人もいました。
「関西特有のユーモアや人生を楽しんでいる感じにとても惹かれた」
――20代・男性/近畿地方の企業法務系事務所に内定
「やりたい分野に取り組めて、事務所の雰囲気も良かった。最終的に“行きたい事務所が関西にあった”というだけです」
――20代・男性/近畿地方の事務所に内定
まとめ:満足のいく就活は、早めの準備から
79期修習生の就職活動は、法律事務所とインハウスで進め方やスケジュールに違いがあるものの、どちらにも共通して言えるのは、「早めの情報収集と計画的な行動」が結果を大きく左右するということです。
たとえば法律事務所では、大手や準大手を志望する場合、合格発表の直後から選考が始まることも珍しくありません。一方で、インハウスは比較的スケジュールに余裕がありますが、それでも説明会や採用のピークは11月から12月に集中します。
情報収集や書類準備、面接対策を並行して進めておくことで、突然の面接依頼にも落ち着いて対応できるようになります。実際に先輩たちの体験談を見ても、「もっと早く準備しておけばよかった」「幅広く応募して比較できたのがよかった」といった声が目立ちました。
これから就職活動を始める方は、まず情報収集からスタートしてみてください。事務所や企業のHP、合同説明会、エージェントなど、複数のルートを活用することで、選択肢が広がります。
さらに詳しい体験談やインターン情報は、修習生向けの特設ページにも掲載しています。先輩たちのリアルな声を参考に、自分に合ったキャリアをじっくり考えてみてください。