78期 Nさん 修習体験レポート~分野別実務修習編(さいたま)~
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プロフィール
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分野別修習について
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後輩になる方々へ
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プロフィール
年代:20代後半 性別:女性
修習地:さいたま
決定している、または希望の就職先を教えてください
法律事務所、裁判官
分野別修習について
分野別修習で、最も力を入れて取り組んだものとその理由を教えてください
民事裁判
●理由
要件事実の暗記や事実認定に本格的に取り組むのは初めてで、事実認定についてはロースクールでも十分に扱った経験がなかったため、かなり苦労しました。難しい問題が出ることも多く、対策しようにも決定版といえる教材がないので、どこまで準備すればよいのか常に不安でした。暗記した要件事実が本番で本当に使えるのかも心配で、毎回かなり緊張しながら取り組んでいました。しかも最初の起案でもあったため不安が大きく、しっかり準備して臨もうという気持ちが強かったことから、結果として最も時間をかけて取り組んだ分野になりました。
分野別修習を受けた中で印象に残っている内容、経験について教えてください
分野別修習の中では、検察修習が最も印象に残っています。取り調べは自分が主体となって進めることになるため、初めて被疑者が割り当てられたときには強い緊張と責任感を覚えました。在宅事件や身柄事件を担当する中で、どうすれば聞きたいことを引き出せるのか、人との関わり方の難しさを痛感しましたし、検察実務はチームプレーでもあるため、チーム内での連携にも苦労しました。最初は戸惑う場面も多かったものの、回数を重ねるうちに流れを理解し、自然に対応できるようになっていきました。自分でも成長を実感できた貴重な経験であり、実務の重みを肌で感じた修習でした。
分野別修習を受ける中で就職の希望先に変化はありましたか。あった方はどう変化したか教えてください
もともとなりたい進路が決まっていたため、私はその目標に向けて努力を続けていました。ただ、修習を通じて弁護士という職務に強く魅力を感じるようにもなりました。
ロースクールでは企業法務志望の人が多く、私自身も企業法務以外の働き方を深く考えたことがありませんでした。しかし、修習で初めて町弁と呼ばれる弁護士の仕事に触れ、その自由さや扱う分野の幅広さを実感し、自分の視野がいかに狭かったかを思い知らされました。同時に、町弁の仕事には大きな魅力があることを知り、進路を決める上で心が揺れました。
各修習を受ける中で今までイメージしていなかったこと、ギャップなどはありましたか。あった方はその内容を教えて下さい
各修習を受ける中で強く感じたギャップは、何も自分からアクションを起こさなければ、いつまでもお客様のままだということでした。修習は受け身でいても最低限は回りますが、それでは本質的な学びにはつながらず、実務家として必要な視点や経験は得られません。自分から質問したり、やってみたいと手を挙げたり、担当の方に相談したりと、主体的に動くことで初めて実務の深い部分に触れられるのだと実感しました。
ストレスを感じる内容はありましたか。あった方はどういったものだったのか、またその際のストレス解消法について教えてください
特に、チームで一つの作業を進める場面では戸惑いや負担を感じることが多かったです。これまで私を含め多くの修習生は、基本的に机に向かって一人で勉強する時間が中心で、誰かと役割を分担しながら動く経験があまりありませんでした。そのため、コミュニケーションの取り方や作業の進め方にギャップを感じ、うまく連携できないときにはストレスが溜まることもありました。
ただ、これからも長く一緒に過ごす同じ班の修習生でもあるので、行き違いがあったときは腹を割って話し、自分から素直に謝って真摯に向き合うことが一番だと感じました。結局のところ、誠実にコミュニケーションを取ることが関係を良くし、ストレスの最大の解消法にもつながりました。
各修習を受ける中で、事前に用意しておいた方がよかったもの、持参してよかったものがあれば教えてください
各修習を受ける中で、事前に特別な物を用意しておけばよかったと感じるものは特にありませんでした。ただ、起案の勉強だけは早めにしっかり取り組んでおくべきだと強く感じました。起案の基礎が身についていると、その後の集合修習や二回試験に向けての負担が大きく減り、精神的なストレスも軽くなります。修習中はどうしても実務に追われがちですが、起案の力はどの場面でも土台になるので、事前に準備しておく価値が高いと実感しました。
全国一斉起案に際して、事前にどういった準備(勉強)をしたか教えてください
全国一斉起案に向けては、第1クール以外であれば他のクールで出題された問題や解説が掲載されるため、それらを参考にして出題傾向や対策の方向性をつかむようにしていました。そのうえで、白表紙の学習を進めるなどして、できる限り準備を重ねるようにしていました。民裁では要件事実の暗記が重要になるため、その部分は重点的に取り組みました。
全国一斉起案を終えて、事前に準備しておいた方がよかったと感じること(もの)があれば教えてください
全国一斉起案を終えて、事前に準備しておけばよかったと感じたのは、民裁の要件事実の理解と暗記をより早い段階で固めておくことでした。民裁がうまくいかなかった原因を振り返ると、要件事実の整理が不十分だと論述の方向性がぶれやすく、評価にも直結してしまうと痛感しました。良い評価を得るためには、典型論点の要件事実を確実に押さえ、事案に当てはめる際の思考プロセスを事前に身につけておくことが重要だったと感じています。
後輩になる方々へ
後輩になる方々へ修習におけるアドバイスをお願いします
分野別修習で一番大事だと思ったのは、受け身にならないことです。こちらから動かない限り、いつまでも見学者のままで終わってしまいます。わからないことは素直に聞く、やってみたいことは遠慮せずに手を挙げる。その積み重ねで、修習の濃さが全然違ってきます。
それから、同じ班の仲間との関係もとても大切です。行き違いがあったときは、変に意地を張らず、腹を割って話す方が結局は早いし、気持ちも楽になります。長く一緒に過ごす仲間だからこそ、誠実に向き合うことが一番のストレス対策にもなりました。
起案については、要件事実や白表紙の基礎を早めに固めておくと、後の集合修習や二回試験で本当に助かります。実務に追われると勉強の時間が取りにくくなるので、できる範囲で前倒ししておくと安心です。
修習は大変なことも多いけれど、自分から動けば動くほど得られるものが増える時期です。肩の力を抜きつつ、ぜひ積極的に飛び込んでみてください。