業界トピックス

必見、ブラック法律事務所を避けるための求人のチェックポイント

目次
  • 1.弁護士が法律事務所に勤務することの特徴

  • 2.ブラック法律事務所とは

  • 3.求人票のチェックポイント

  • 4.まとめ

  • 記事提供ライター

  • サイト運営会社:株式会社C&Rリーガル・エージェンシー社

1.弁護士が法律事務所に勤務することの特徴

法律事務所は、日本最大級の規模であっても、弁護士、事務職員などを併せた従業員数(弁護士は業務委託契約である場合が多いのですが、便宜的に従業員に含むものとします)は1,000~2,000人程度にとどまります。日本を代表する大手メーカーになると、従業員数は30万人規模ですから、法律事務所は、いわゆる大規模法律事務所であっても、なお、組織規模は大きくないと言えます。

また、弁護士が法律事務所に就職・転職する場合、多くは雇用契約ではなく業務委託契約を締結することになります。そのため、法律事務所に勤務する弁護士は、定時勤務のサラリーマンとは全く異なる、裁量の大きな働き方になることが通常です。

弁護士が法律事務所に勤務する場合には、さほど大きくない組織に、大きな裁量をもって勤務する、という特徴のある働き方をすることになります。そのため、法律事務所への就職・転職を検討する際には、企業に就職・転職する場合とは異なった視点で求人の内容を確認することが必要です。特に、ブラック法律事務所を避けるためには、どのような点に注目すれば良いかを紹介します。

2.ブラック法律事務所とは

次のような特徴がある法律事務所は、ブラック法律事務所と呼ばれることがあります。

給与が低い(業務委託契約の報酬として毎月一定額が支払われることも便宜的に給与に含むものとします。)というのは、典型的なブラック法律事務所です。

拘束時間が長いことも、ブラック法律事務所の特徴です。なお、弁護士が、その裁量の範囲で労働時間が長くなることを自ら許容しているならば、なんら問題はありません。若くして高給が得られる法律事務所ほど労働時間が長いと言われていますが、ブラック法律事務所とは呼ばれません。しかし、意に反して勤務先に長時間拘束されるならば、大いに問題です。

パワハラ・セクハラが平然とおこなわれていれば、ブラック法律事務所と呼ばれます。同僚弁護士や事務職員が見ている前で、経営者弁護士の前に立たされて怒鳴られるというのはパワハラです。女性弁護士が座って仕事をしていると、いつも後ろから肩を揉んでくるというのはセクハラです。経営者弁護士や先輩弁護士の口から、近頃の若い奴は、もっと女性らしく、という言葉がよく出てくることも問題です。

ブラック法律事務所は非弁提携をしていることが多いので、これにも注意が必要です。非弁提携とは、弁護士法第27条に違反することで、「二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金」(同法第77条第1号)という重い罪になります。

3.求人票のチェックポイント

ブラック法律事務所を見抜くための求人のチェックポイントをご紹介します。求人票からは十分な情報が得られない場合も多いので、法律事務所が設置しているWEBサイトの記載や、採用面接における質問、就職・転職エージェントを通じた問い合わせによって、求人票の情報を補完しながら判断していただくことを想定しています。

3-1.組織構成(司法修習期・パートナーとアソシエイト・男女のバランス)

できるだけ客観的に法律事務所の働きやすさを判断するための材料として、組織構成を確認することがおすすめです。組織構成は求人票に書かれている場合もありますし、そうでなくとも、多くの場合、WEBサイトを通じて確認できます。

仮に、40期台の経営者弁護士と70期台の若手弁護士10人という法律事務所があれば、労働環境が劣悪であったり、昇給がなかったり、弁護士としての成長が期待できない環境であったりする可能性が高いと疑われます。一方、幅広い司法修習期の弁護士が在籍しているならば、誰にとっても働きやすい環境である可能性が高まります。

パートナーとアソシエイトの比率も気になるところです。大ベテランの経営者弁護士以外パートナーがいないという場合、独裁色が強いと疑われるだけでなく、経営者弁護士にアクシデントがあった場合に法律事務所の存続が難しくなる危険もあります。かといって、若手も含めた所属弁護士のほとんどがパートナーという場合には、皆で経費を分け合っているだけで別々に活動しており組織としての実体がない可能性があります。

女性弁護士の比率の高さも注目すべき点です。女性にとっては他にも女性がいれば心強いですし、女性が働きやすい環境は男性にとっても働きやすい環境であると期待できます。

3-2.給与の上り幅(所属弁護士の給与の分布)

就職・転職した際の給与を確認することはもちろんですが、その後の昇給ペースについても確認したいところです。もちろん、個人の力量や法律事務所への貢献によって、同じ司法修習期、同じ勤続年数であっても給与に差がつくことになりますが、所属弁護士の給与の分布を確認することができれば、事務所に貢献すれば報われると期待できるのか、判断する材料になります。

3-3.所属弁護士の実働時間と働き方(リモートワーク・産休制度・留学制度など)

希望すれば早く帰ることができるのか、仕事が深夜に及んでしまった場合、その疲れを取るために翌日の午前は休むといった働き方ができるのか、所属弁護士から教えていただくことができれば、安心して就職・転職することができるでしょう。

リモートワークや産休制度、留学制度についても、制度の有無を確認するだけでなく、面接での質問などを通じて、実際に所属弁護士が活用しているかどうかを確認したいところです。

3-4.業務内容(所属弁護士の取扱分野)

業務内容については特に注意が必要です。法律事務所が扱いたい分野と扱っている分野は異なります。そのため、求人票の記載だけでなく、所属弁護士のプロフィールが実態を探る手掛かりとなります。

3-5.WEBサイトの文言

WEBサイトの文言もチェックする必要があります。弁護士は、弁護士などの業務広告に関する規程に従う義務を負い(弁護士法第22条、日本弁護士連合会会則第29条1項)、同規程の解釈については業務広告に関する指針が示されています。法律を守れない法律事務所は非弁提携をするリスクも高いので、WEBサイトのチェックを通じて、遵法意識を確認することが重要です。

4.まとめ

法律事務所は企業ほど規模が大きくなく、弁護士の働き方は裁量が大きいという特徴があります。いわゆるブラック法律事務所にも気をつけなければなりません。C&Rリーガル・エージェンシー社は、2007年の創業以来、弁護士の就職・転職を支援し続けており、法律事務所ごとの特徴を知るだけでなく、司法修習生・弁護士の皆様が、就職・転職を通じて、それぞれのご希望に沿った働き方を実現するためには、どのような点を確認すれば良いのかも熟知しています。法律事務所への就職・転職をお考えの際には、お気軽にご相談ください。

記事提供ライター

弁護士
大学院で経営学を専攻した後、法科大学院を経て司法試験合格。勤務弁護士、国会議員秘書、インハウスを経て、現在は東京都内で独立開業。一般民事、刑事、労働から知財、M&Aまで幅広い事件の取り扱い経験がある。弁護士会の多重会務者でもある。

サイト運営会社:株式会社C&Rリーガル・エージェンシー社

弁護⼠、法務・知財領域に精通したプロフェッショナルエージェンシーです。長きに渡り蓄積した弁護士・法律事務所・企業の法務部門に関する情報や転職のノウハウを提供し、「弁護士や法務専門職を支える一生涯のパートナー」として共に歩んでまいります。
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日本のリーガルを牽引する弁護士、法律事務所/企業法務部の姿、次世代を担う弁護士を徹底取材した『Attorney's MAGAZINE』を発行。
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