弁護士の短期離職、転職への影響は?
- INDEX
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1.弁護士業界は人材の流動性が高い
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2.短期とはどのくらいか
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3.問題は短期離職が続くこと
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4.仕事を辛いと感じたら
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5.短期離職を繰り返してしまったら
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記事提供ライター
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サイト運営会社:株式会社C&Rリーガル・エージェンシー社
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1.弁護士業界は人材の流動性が高い
2.短期とはどのくらいか
筆者は、以前、ある上場企業の役員から、前職での勤務が1年を超えて続いていれば無条件でマイナス評価はしないという考えを聞かされました。企業の事業年度は1年単位であり、1年単位で業務のスケジュールが組まれ、2年目からは、1年目とほぼ同じスケジュールを繰り返すことになります。1年目は初めての経験ばかりなので、仕事が辛いことは当然です。そこで脱落すれば無条件で堪え性がないと判断されます。しかし、2周目の年間スケジュールでは仕事は楽になるはずであり、にもかかわらず転職を考えるのは、目の前の仕事に楽しさを感じなかったり、キャリア形成に不安を覚えたり、未来志向からである可能性が出てくるのだそうです。
法律事務所では、1年毎に確定申告をするものの、企業のように年間スケジュールが組まれるわけではありません。しかし、仕事を覚えるまでは辛くて当然、ある程度仕事に慣れた後に転職を考えるならば未来志向だと期待できるというのは、企業と同様でしょう。弁護士が扱う民事事件の平均審理期間は10ヶ月程度です。訴訟提起前の交渉も含めると、解決に約1年かかると言えるでしょう。そうなると、弁護士も、1年間の継続勤務というのが、無条件でマイナス評価とされてしまうかどうかの分水嶺になるように思えます。
3.問題は短期離職が続くこと
しかし、短期離職が続いてしまうと、採用する側からの見え方が変わります。就職先選びに失敗してしまった場合、転職先(再就職先)を慎重に選ぶはずです。そこでも失敗したからには、勤務先ではなく本人に問題があるのではないかという懸念が出てきます。3回短期離職を続けてしまえば、3回続けてブラック法律事務所を選ぶとは考えにくいので、問題があるのは本人であるという見え方がより強まってしまいます。
4.仕事を辛いと感じたら
今の仕事に辛さを感じても、すぐに逃げ出すのではなく、なぜ辛いのかを冷静に分析することが重要です。仕事が難しい、手取り足取りやり方を教えてもらえない、給料が安い、などの理由から仕事を辛いと感じているのならば、最低1年間は堪えるべきです。堪えられると示した上で、不満を解消するために転職活動をするならば、後は転職先とのマッチングの問題となります。どのような仕事でもどのような勤務先でも辛いときはあります。転職先は、辛いときに堪えてくれる人材を求めています。
しかし、非弁提携をしていたり懲戒処分を受けかねない事件処理をしていたり、そのようなブラック法律事務所からは直ぐに抜け出すべきです。若手弁護士は、書面一つ作るにも不慣れから時間がかかり、労働時間が長くなるのは常ですが、それを超えて過重労働を強いられているならば、やはり抜け出すべきです。誰にとっても勤務するべきではないブラックな環境に身を置き続けてしまえば、懲戒処分を受けてしまったり心身を壊してしまったりします。
ブラック法律事務所を避けるためについてのコラムは、「必見、ブラック法律事務所を避けるための求人のチェックポイント」(https://www.bengoshitenshoku.jp/column/242)をご参照ください。
5.短期離職を繰り返してしまったら
C&Rリーガル・エージェンシー社は、リーガル・プロフェッショナルの生涯価値の向上をミッションとしており、単に転職先をご紹介するだけでなく、将来に向けたキャリア形成についてもサポートしております。すでに短期離職をしてしまった場合はもちろん、短期離職をするかどうかお悩みの際にも場合にも、是非ご相談ください。
記事提供ライター
大学院で経営学を専攻した後、法科大学院を経て司法試験合格。勤務弁護士、国会議員秘書、インハウスを経て、現在は東京都内で独立開業。一般民事、刑事、労働から知財、M&Aまで幅広い事件の取り扱い経験がある。弁護士会の多重会務者でもある。
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日本のリーガルを牽引する弁護士、法律事務所/企業法務部の姿、次世代を担う弁護士を徹底取材した『Attorney's MAGAZINE』を発行。
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