業界トピックス

弁護士が年収を上げるには?高年収を狙う転職先・必要スキル・注意点を解説

INDEX
  • 弁護士の年収はどのように決まる?

  • 弁護士が年収を上げる4つの方法

  • 弁護士が転職で年収アップを狙うには?

  • 年収アップに有効なスキルと求められる人物像

  • 弁護士が高年収を得る代わりに犠牲にしやすいこと

  • まとめ|自分に合ったキャリアで年収アップを目指そう

弁護士としてのキャリアを築く中で、年収の向上を目指すことは多くの方にとって重要なテーマです。
 
本記事では、弁護士の年収の実態や、年収を上げるための具体的な方法、必要なスキル、転職先の選び方、そして高年収を得る際の注意点について、最新のデータや事例を交えて解説します。
 
転職を検討中の方はもちろん、現在の職場で収入アップを狙う方も、ぜひご一読ください。

弁護士の年収はどのように決まる?

弁護士の年収は、勤務先の形態や地域、専門分野、経験年数などにより大きく異なります。まずは、全体的な傾向を把握しましょう。

■所属先によって年収は大きく変わる

弁護士の年収は、個人事務所、企業法務、インハウス、官公庁など、所属先により大きく異なります。
 
たとえば、大手の法律事務所で企業法務を専門にしている弁護士は、若いうちから年収1,000万円以上を得られることがあります。一方、一般市民向けの業務(離婚、相続、交通事故など)を扱う個人事務所では、初任給が400万〜500万円程度ということも珍しくありません。
 
また、企業内の法務部で働く「インハウスロイヤー」は、企業によって給料の水準が大きく異なります。たとえば、外資系企業や総合商社などでは高年収を得やすいですが、多くの企業では年収600万~800万円前後が多い傾向にあります。
 
官公庁勤務の弁護士は、国家公務員としての給与規程に準じているため、他と比べると安定はしていますが、年収は相対的に控えめです(係長級で約730万円、課長補佐級で約930万円程度)。

■報酬が決まる要素とは?

弁護士の年収を決める要素には、以下のようなものがあります。
 
・取扱う業務の種類(企業法務、民事事件、刑事事件など)
・案件の単価や件数(企業法務は高単価になりやすい)
・勤務先の規模(大手ほど給与水準が高い傾向)
・本人の経験年数やスキル、顧客の数
・インセンティブ制度の有無(成果報酬がある事務所も)
 
たとえば、同じ弁護士でも、「顧客をたくさん持っていて売上をあげている人」と「依頼件数が少ない人」では、年収に大きな差が出ます。また、事務所によっては基本給+歩合制になっており、自分の売上が高ければその分収入も増える仕組みになっています。

■弁護士の平均年収は837万円(当社調べ)

当社が行った独自調査では、弁護士全体の平均年収が837万円という結果が出ています。この数値は、当社サービスを利用して実際に転職活動を行った方々のデータをもとにしたものです。
 
「転職」をきっかけに年収アップを実現している弁護士は少なくありません。とくに、企業法務やIT・M&A・国際業務といった専門性の高い分野にチャレンジした方の多くが、年収水準の底上げに成功しています。

弁護士が年収を上げる4つの方法

弁護士が年収を上げるには、いくつかの選択肢があります。それぞれにメリットと注意点があり、自分に合った方法を見つけることが大切です。

■① 独立開業する

独立して自分の法律事務所を持つことで、収入の上限は事実上なくなります。案件数を増やしたり、報酬単価を上げたりすることで、年収1,000万円以上を狙うことも可能です。
 
たとえば、地域に根ざした法律相談や顧問契約、企業法務などで安定的に収益をあげている弁護士もいます。口コミや紹介での集客、ネット集客、SNS発信をうまく活用している人も増えています。
 
ただし、開業には経営の知識や集客力が必要で、収入が不安定になるリスクもあります。人材マネジメントや事務所経費の管理など、弁護士以外のスキルも求められる点は注意が必要です。

■② 高年収が狙える事務所や企業へ転職する

既にスキルや実務経験がある方にとっては、より好条件の事務所や企業に移ることで年収アップをはかることができます。特に、四大・五大法律事務所や外資系企業、M&Aや国際法務に強いブティックファームなどでは、高額報酬を提示しているケースが多くあります。
 
また、企業の法務部門に転職する「インハウスロイヤー」も近年増加傾向にあり、商社やグローバル企業では1,000万円超の年収提示も珍しくありません。
 
転職時には、自分の得意分野を整理し、どの業界・企業でそのスキルが活きるかを見極める必要があります。

■③ 副業・兼業を始める

働き方の自由度が高まる中で、弁護士も副業・兼業によって年収を増やすことができるようになっています。
 
具体例としては、法務コンサルタント、企業研修の講師、専門メディアへの記事執筆、書籍出版、YouTubeやnoteなどの発信などがあります。時間の使い方や内容によっては、月に数万円から数十万円のプラス収入につながることもあります。
 
最近ではオンラインでの活動も盛んで、個人のブランディングによって信頼や仕事が増えるケースもあります。

■④ 現職で成果を出して昇給・昇格する

転職や独立をせずとも、今の職場で実績を積むことによって年収を上げる道もあります。
 
たとえば、顧客からの信頼を得てリピートや紹介が増えたり、大型案件を担当したりすることで、賞与やインセンティブの形で報酬が増えることがあります。また、パートナー弁護士への昇格や、管理職ポジションに就くことによって年収1,000万円を超えることも珍しくありません。
 
中小事務所であっても、売上への貢献が評価される職場であれば、着実な昇給が期待できます。

弁護士が転職で年収アップを狙うには?

転職によって年収を上げるには、ただ条件の良い求人に応募するだけでは不十分です。どの業界や企業を選ぶか、自分の経験やスキルをどう活かすかが重要になります。

 

■業界・業種の選び方がカギ

転職先を選ぶ際には、「どの業界にニーズがあるか」を見極めることが重要です。
 
たとえば、ベンチャー企業やIT企業はスピード感と柔軟性が重視されるため、若手弁護士でも責任あるポジションに就くチャンスがあります。金融業界や医療・製薬業界では法規制が厳しく、専門的な法務スキルが求められることから、報酬も高めになる傾向があります。

■商社・外資系企業は高年収を狙いやすい

総合商社や外資系企業は、グローバルな法務対応が求められるため、語学力や国際取引の知識がある弁護士には高報酬が提示されることが多いです。
 
たとえば、外資系企業では年収1,200万〜1,800万円以上が期待できるポジションもあります。日本の法律だけでなく、英米法や契約慣行への理解も求められますが、それだけにリターンも大きくなります。

■民事系法律事務所で実績を出す方法も

一見すると高年収が難しそうに思われがちな一般民事系の事務所でも、特定分野に特化して高い実績を上げているケースでは年収1,000万円以上を得ている弁護士も少なくありません。
 
たとえば、相続や離婚、交通事故など特定領域に特化し、集客と収益化の仕組みを確立している事務所では、若手でも高収入が可能です。SEOやWeb広告、顧客対応に強い人ほど収入が伸びやすいのも特徴です。

■管理職やマネジメント職で収入が跳ね上がることも

事務所の幹部弁護士や企業の法務部長、法務統括などのポジションに就くと、報酬が急激に上がることがあります。こうした役職では、個人としての法的知識だけでなく、マネジメントスキルや経営的視点が重視されます。
 
また、他部署との調整や経営陣への法的アドバイスといった業務もあり、責任は大きいですが、年収1,500万円〜2,000万円を超える事例も見られます。

年収アップに有効なスキルと求められる人物像

弁護士として年収を上げるには、単に「経験年数を重ねる」だけでは不十分です。今の時代、身につけるスキルや仕事に取り組む姿勢によって、収入に大きな差が生まれています。
 
「今の年収では満足できない」「もっと自分の力を評価してほしい」と感じる方こそ、以下のようなスキルと資質に注目することでキャリアアップのきっかけが見つかるはずです。

■年収アップを実現するためのスキルとは

年収アップを実現するためには、特に以下の5つのスキルが重要です。
 
① 語学力(特に英語)
外資系企業や国際的な法律事務所では、日常的に英語で契約書を読んだり、会議に参加したりする必要があります。TOEICやTOEFLのスコアが応募条件となっている求人もあり、実務レベルの英語力は年収アップに直結しやすい武器です。
 
② 専門分野の知識(知財・国際法務・税務など)
最近では、「なんでもできる弁護士」よりも、「●●に強い弁護士」が求められる傾向にあります。
 
知的財産、IT法務、医療法務、労働法、税務、金融商品取引法など、専門性が高い分野に強みがあると、希少価値が高くなり、高収入ポジションに就きやすくなります。
 
③ 営業力・提案力
独立開業を目指す方はもちろん、勤務弁護士でもクライアントに信頼されて案件を引き寄せられる人は、評価が高くなります。
 
「契約書をチェックするだけ」「相談を受けるだけ」ではなく、「クライアントの問題を先読みし、よりよい提案をできる」弁護士は継続的な顧問契約を獲得でき、結果として収入が安定・上昇します。
 
④ 新しい情報をキャッチアップする力
法改正、裁判例の動向、業界ニュースなどを常に把握している弁護士は、時代に取り残されません。新しい知識を取り入れる柔軟さがあると、より高度な案件や顧客ニーズに対応できるようになり、評価されやすくなります。
 
⑤ 継続力・粘り強さ
案件の結果が出るまでには時間がかかることも多く、途中で心が折れそうになることも。そうした中でも地道に取り組み、確実に成果を積み重ねられる弁護士は、信頼も厚く、年収アップにもつながります。

■年収アップを実現できる人の特徴

年収を上げている弁護士に共通して見られるのは、スキルだけではなく、日々の姿勢や行動力です。ここでは、年収アップを実現している人たちが持っている“考え方”や“習慣”に注目してみましょう。自分に足りない部分を見つけて、少しずつでも意識していくことが大切です。
 
① 向上心がある
「今のままでいいや」ではなく、「もっと上を目指したい」「この分野に詳しくなりたい」と常に考えて行動している人は、自然と年収も上がっていきます。
 
向上心がある人は、研修や書籍、外部セミナーへの参加も惜しみません。周囲からも成長意欲が高く評価され、昇進や新たなポジションのチャンスをつかみやすくなります。
 
② 行動力がある
スキルや経験があっても、「動かない人」にはチャンスは巡ってきません。年収を上げている弁護士の多くは、自分で動いて情報を得たり、求人に応募したり、新たな人脈を広げたりしています。
 
「とりあえず動いてみる」という姿勢が、結果的に大きなキャリアの転機になることもあります。
 
③ 忙しくても対応できる体力とメンタル
年収が高い仕事ほど、案件の難易度やプレッシャーも大きくなる傾向があります。タフな状況でもブレずに対応できる人は、信頼され、大型案件を任されるようになります。
 
また、長時間労働だけでなく、「複数案件を同時に進めるマルチタスク能力」も求められます。
 
④ 情報収集力が高く、好条件の求人を見逃さない
日々変わる転職市場の動きに敏感な人は、自分にとって有利なタイミングでキャリアチェンジを図れます。
 
情報収集が得意な人は、次のような行動を取っています。
 
・弁護士専門の転職エージェントに相談している
・定期的に求人をチェックしている
・SNSや業界紙などから動向をつかんでいる
 
良いポジションは、公開から数日で応募が殺到することもあります。情報をいち早くつかむことは、それだけで年収アップの武器になります。

弁護士が高年収を得る代わりに犠牲にしやすいこと

高収入を得ることには大きなメリットがありますが、その裏には見落とされがちな「代償」もあります。特に、生活のバランスや心身の負担には注意が必要です。年収だけに目を向けすぎると、キャリアの継続が難しくなることもあるため、事前に理解しておきましょう

■ワークライフバランスとのトレードオフに注意

年収1,000万円を超えるような職場やポジションでは、責任の重い仕事や緊急対応の多い案件を任されることも増えていきます。特に大手法律事務所や外資系企業では、日常的に深夜・休日の対応が必要になるケースもあります。
 
「高年収=自由に使えるお金が増える」という一面がある一方で、「自由な時間が減る」という側面も無視できません。
 
たとえば、結婚や出産、子育てといったライフイベントとの両立を意識するフェーズでは、「もう少しバランスの取れた働き方をしたい」と考える弁護士も少なくありません。
 
年収だけでなく、自分が大切にしたい価値観や生活スタイルを明確にしておくことが、長く働き続けるためにはとても重要です。

■多忙やプレッシャーに耐えられるかも重要

高い年収には、それに見合うプレッシャーや期待が伴います。たとえば、大型案件の担当、企業幹部への法的助言、重大な判断を迫られる場面などでは、1つの判断ミスが大きな損害につながることもあり、精神的な負担も大きくなりがちです。
 
また、同じ職場に優秀な人材が多ければ多いほど、比較されやすく、成果を求められるプレッシャーも大きくなります。
 
こうした環境に対して「やりがいがある」「成長できる」とポジティブに向き合えるか、「しんどい」「向いていない」と感じるかは、人によって大きく異なります。自分の性格や耐性を冷静に見極めることも、年収アップを目指すうえでは欠かせません。

まとめ|自分に合ったキャリアで年収アップを目指そう

弁護士の年収は、努力次第で大きく伸ばせる世界です。独立、転職、副業、昇進――どの道にもチャンスがあり、それぞれに適したスキルや考え方があります。
 
ただし、すべての人に「年収の高さ=幸せ」とは限りません。高収入の裏には多忙やプレッシャーといった負担もあります。「自分にとって本当に納得できる働き方は何か」を見極めることが何より大切です。
 
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記事提供ライター 中澤 泉(弁護士)

弁護士事務所にて債務整理、交通事故、離婚、相続といった幅広い分野の案件を担当した後、メーカーの法務部で企業法務の経験を積んでまいりました。
事務所勤務時にはウェブサイトの立ち上げにも従事し、現在は法律分野を中心にフリーランスのライター・編集者として活動しています。

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