企業内弁護士(インハウスローヤー)の現状|弁護士転職.jp

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業界ニュース:企業内弁護士(インハウスローヤー)の現状

増加傾向が顕著な企業内弁護士(インハウスローヤー)

 2017年12月時点における企業内弁護士数は2,051名。企業内弁護士の場合、登録を外しているケースも多々あるので、実際には企業内で働く有資格者は2,500名に迫る勢いだと推測されます。もしかすると、既にこの人数を超えているかもしれません。登録がないので、推測の域を出ませんが、実際に某企業では登録を外している弁護士を数多く抱えており、2,500名という人数はあながち的外れの数値ではないでしょう。2007年6月の企業内弁護士数は188名だったので、10年間で約11倍になっている計算になります。
 企業内弁護士2,051名中、女性は810名で、約4割を占めます。弁護士全体においての女性比率は約2割なので、企業内弁護士は女性が活躍できる場としても認識されるようになりました。
 日本組織内弁護士協会(JILA)が2018年2月に実施したアンケート集計結果によると、「あなたが現在の勤務先(企業内)を選んだのはなぜですか?(複数回答可)」の問いの1位は、「ワークライフバランス(以下WLB)を確保したかったから」の52.3%でと、毎年実施されているアンケート調査で、この回答はほぼ不動で1位を取り続けています。第2位は、わずか2.9ポイントの差(49.4%)で「現場に近いところで仕事をしたかったから」という回答が占めます。2016年の調査時には、この回答項目が1位だったこともあるので、企業内弁護士の皆さんが、単純にWLBだけを求めて企業内弁護士になっているわけではないと推測されます。

企業内弁護士(インハウスローヤー)でWLBはとれるのか?

 一般的な弁護士事務所では、弁護士と業務委託契約を交わしています。つまり「労働者」ではないので、労働基準法や労働契約法による保護は受けることができません。
 他方で、企業内弁護士の場合、雇用契約を企業と直接交わすことになるので、労働法上の保護(例えば労働時間、各種保険制度の適用、年次有給休暇の取得など)を受けられます。
 前出のJILAアンケートでは、企業内弁護士の1日の平均労働時間は8時間未満12%、8時間~9時間未満37%、9~10時間未満35%と約85%が1日10時間以内の労働時間に収まっています。
 また、政府が推し進める働き方改革で、長時間労働の是正、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保、柔軟な働き方がしやすい環境整備(テレワーク、副業・兼業など)、ダイバーシティの推進(女性が活躍できる環境整備、子育て・介護などと仕事の両立など)などが進むと、さらにWLBがとりやすい環境になることが想定されます。

企業内弁護士(インハウスローヤー)は年収が下がる?

 法律事務所から企業内弁護士へ転職する際、気になるのはやはり“年収”。現在の働き方でいくら報酬を得ているかにもよりますが、正直、法律事務所から企業への転職で年収が下がるケースは多々あります。
 企業の場合、単純に弁護士資格を保有していることだけでなく、業務に対しての即戦力性や年齢及び社会人経験年数のバランスを考えた上で、社内の他の社員との整合性を保たないといけません。法律事務所勤務時代よりは、年収が下がるかもしれませんが、一般社員よりも高く設定されていることが多く、弁護士会費も8割強の会社では企業負担です。※前出のJILAアンケート調査より
 年齢や経験にもよりますが、JILAのアンケート調査によると年収(支給総額)は500~750万円未満30.5%、750~1000万円未満27.3%、1000~1250万円15.2%となっており、労働時間や弁護士会費の負担、社会保険や会社ごとの諸手当などを総合的に考えると、単純に額面だけで年収ダウンと判断するのは早計だと思います。

企業内弁護士(インハウスローヤー)の仕事の領域、顧問弁護士との違い

 企業内弁護士(インハウスローヤー)業務の大半は、一般企業法務になります。
 契約関連業務やコーポレート・ガバナンス、コンプライアンス、社内の各部署からの法律相談対応が主な仕事になるでしょう。会社によっては、知財関連業務や、M&Aやファイナンス関連、立場が上がればマネジメント、経営アドバイスなどにも携わる機会もあります。状況によっては、訴訟案件にも携わりますが、代理人となり法廷に立つことはあまりないでしょう。
 企業規模や法務部の体制にもよりますが、体制がしっかりしていて、人数が多いと、国内案件のみ、コンプライアンスのみなどと業務が細分化されているケースもあります。
 案件の前後にも携わり、主体的に案件をコントロールできるのは企業内弁護士(インハウスローヤー)の醍醐味だと思います。他方で、企業内弁護士は当然その企業の案件しか関わることができないため、幅広い業界・会社の案件に携わりたい方は法律事務所で顧問弁護士として働く方が合っているかもしれません。

まとめ

 「法廷に立つ機会がない=弁護士ではなくなる」と考える方も多く、転職相談を受ける際も、「WLBを考えると企業内弁護士に転職したいけれども、弁護士でなくなるのは嫌だ」という発言を聞くことがあります。
企業内弁護士(インハウスローヤー)は、弁護士としての役割を果たせないのでしょうか? 私はそうは思いません。ビジネスの最前線で、リーガルプロフェッショナルとして、法律知識と経験をフル活用しながら「臨床法務」以外にも「予防法務」「戦略法務」という領域で職務を全うしているからです。
 欧米などのインハウス先進国に遅れをとっているものの、今後も企業内におけるリーガルプロフェッショナルのニーズはさらに高まると推測され、その役割は多様化していくでしょう。

 弁護士として、どのような仕事に携わりたいかをイメージした上で、どのタイミングでどのような環境で働き、どんな経験を積み重ねていくか、戦略的にキャリアプランニングすることをお勧めします。
 「弁護士転職.jp」を運営するC&Rリーガル・エージェンシー社では、中長期的なキャリアプランニングのサポートも行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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