弁護士と税理士のダブルライセンスのメリットは?|弁護士や法務の転職・求人情報なら「弁護士転職.jp」

業界トピックス

弁護士と税理士のダブルライセンスのメリットは?

目次
  • 1.弁護士資格を持てば税理士登録もできる

  • 2.税理士資格を持つ弁護士ができる業務

  • 3.税理士資格を持つ弁護士の将来性

  • 4.税理士資格を持つ弁護士になるメリット

  • 5.まとめ

1.弁護士資格を持てば税理士登録もできる

弁護士は、税理士の業務を取り扱うことができます。弁護士法第3条2項には、「弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる。」と定められています。

厳密にいうと、「弁護士となる資格を有する者」であれば、税理士となることができます(税理士法第3条3号)。つまり、弁護士登録をしていない人でも、司法試験に合格して司法修習を終えた人であれば、税理士会に登録して税理士となることができます。弁護士としての実務経験は必要ありません。

税理士として働くためには、税理士名簿に登録することが原則として必要です。税理士名簿に登録するためには、日本税理士会連合会で手続きを行います。税理士登録の申請書類は、税理士業務を行う地区の税理士会に提出します。

【国税庁ホームページ】税理士の登録

ただし、弁護士及び弁護士法人については、所属弁護士会を経て国税局長に通知することによって、その国税局の管轄区域内において税理士業務を行うことができます。この通知を行った場合は、税理士名簿に登録していなくても、管轄区域内に限って税理士業務を行うことができます。

【国税庁ホームページ】国税局長に通知を行った弁護士

2.税理士資格を持つ弁護士ができる業務

弁護士と税理士の業務はどのように異なるのでしょうか?

(1)税理士の業務

税理士は、税務に関する専門家です。具体的には、下記の仕事を行うことができます。

① 税務代理
② 税務書類の作成(税務官公署に対する申告書など)
③ 税務相談
④ 会計業務
⑤ 租税債務の確定に必要な事務の範囲内で行う社会保険労務士業務
⑥ 租税に関する訴訟の補佐人
⑦ 現物出資などにおける財産の価格の証明
⑧ 会計参与

つまり税理士は、税務に関するあらゆる業務を取り扱うことができます。弁護士のように訴訟代理人となることはできませんが、租税に関する訴訟においては、補佐人として裁判に出頭して陳述することができます。

(2)弁護士の業務

弁護士の業務範囲については、弁護士法第3条に定められています。具体的には、訴訟事件、非訟事件、審査請求、再調査の請求、再審査請求など行政庁に対する不服申立事件に関する行為、その他一般の法律事務を扱うことができます。つまり弁護士は、法律に関する事務であれば全て扱うことができ、法律業務に関する権限についての制限はありません。

(3)弁護士と税理士の業務の違い

それでは、具体的には弁護士と弁理士はどのように異なるのでしょうか?

例えば、企業がライセンス契約を締結するとき、契約交渉や契約書の作成・リーガルチェックを行うのは弁護士であり、ライセンス取得価格や減価償却などの法人税に関する問題に対応するのが税理士です。また、遺言の作成やその相談を行うのは弁護士ですが、相続税の申請代理や納税手続きを行うのは税理士です。

このように、弁護士と税理士の業務範囲は異なります。弁護士が税理士登録をすれば、どちらの範囲にも対応できるようになり、仕事の幅が広がります。

3.税理士資格を持つ弁護士の将来性

弁護士が税理士登録をすれば、税務関連の問題にも幅広く対応できるようになります。法律相談の中で税務の知識が必要となることは少なくありませんし、税務トラブルにおいて弁護士が必要になるケースも多々あります。このことから、税理士と弁護士のダブルライセンスを持つ専門家の需要は今後さらに増えると考えられます。

例えば、遺産分割の相談を受けた場合、通常の弁護士は遺産分割協議書の作成のみを引き受けますが、税理士登録をしていれば、その後の相続税の手続きについてもまとめて対応することができます。また、顧問契約を結んでいる会社に税務調査が入った場合や、その会社が税務訴訟に巻き込まれた場合にも、弁護士かつ税理士として一連の流れに対応することができます。

特に、クライアントに中小企業が多い弁護士は、税理士資格を持つことがお勧めです。大企業では顧問税理士がいることが一般的ですが、中小企業は、「金銭的な理由から、弁護士か税理士にしか相談できない」ということがあります。このような企業からは、弁護士資格と税理士資格の両方を持っている人が高く評価されます。

4.税理士資格を持つ弁護士になるメリット

弁護士が税理士資格を持つと、下記のメリットがあります。

(1)他の弁護士と差別化ができる

2020年弁護士白書によると、税理士登録をしている弁護士の数は685人です(2020年3月31日時点)。弁護士全体の人数が42,164人であることからすると、わずか1.6%に過ぎません。つまり、税理士登録をしている弁護士は希少であり、市場価値が高いと考えられます。

【2020年弁護士白書】

なお、通知制度によって税理士業務を行っている弁護士(通知弁護士)は全国に6,076人います。弁護士全体から見た割合は約14%です。ただし、この通知弁護士の人数は、同一弁護士が複数の局に通知した場合にそれぞれ一件としてカウントした延べ人数であるため、実際の人数はこれよりも大分少ないと考えられます。

以上のことから、税理士資格を持つ弁護士は希少価値が高く、転職活動においてもアピールポイントとすることができます。

(2)相続や贈与などの案件について切れ目なく対応できる

一般的に、弁護士と税理士の業務は棲み分けがされています。弁護士は法律の専門家であり、税理士は税務の専門家であるため、相続や贈与の書類の作成は弁護士が行い、相続税や贈与税の問題が生じた場合は、その時点で税理士に引き継いでもらいます。クライアントとしては、一つの事柄から生じた問題であるのに、弁護士と税理士の双方に依頼しなければならず、時間的にも金銭的にもコストがかかり、ストレスを感じます。弁護士と税理士のダブルライセンスを持っていれば、一人のクライアントが抱えるトラブルを丸ごと引き受けることができます。また、相続税や贈与税を含む一連の手続きについてもまとめて対応することができ、クライアントの満足度が上がります。

(3)税務調査に対する不服申し立てを行い、税務訴訟で争える

通常の弁護士は、顧問契約をしている企業がある場合、その企業の契約交渉や契約書の作成、労務トラブルや知財紛争などに対応しますが、その企業に税務調査が入った場合には、税理士に対応をお願いします。企業側としては、顧問契約をしている弁護士が税理士資格を持っていれば、顧問弁護士に丸ごと依頼することができます。このため、顧問契約を締結する際に、税理士資格を持っている弁護士は企業側から高く評価されます。

以上のように、弁護士が税理士資格を持つことには多くのメリットがあります。なお、弁護士がダブルライセンスを持つことのメリットについては、下記の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

弁護士のダブル(トリプル)ライセンスについて

5.まとめ

弁護士は、税理士の試験を受けることなく税理士業務を取り扱うことができます。税理士として税務関連の実務経験を積むことによって、希少価値の高い弁護士として評価され、キャリアアップにつなげることができます。税務分野での強みを持っていれば、転職活動の際にアピールすることができるため、転職を成功させる可能性も高まります。

株式会社C&Rリーガル・エージェンシー社は、弁護士に特化した専任エージェントとして、弁護士の転職活動を総合的にサポートしています。税理士とのダブルライセンスをお持ちの方や、これから税理士とのダブルライセンスをお考えの方には、その強みを活かして転職活動を行うためのアドバイスをさせていただきます。弁護士としてのキャリアアップをお考えの方は、いつでもお気軽にご相談ください。

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記事提供ライター

元弁護士 ライター
東京大学卒業後、2009年に司法試験に合格。弁護士として知的財産業務、企業取引等のビジネス関連の業務を扱う。現在は海外に在住し、法律関連の執筆や講演を行う。

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