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弁護士と公認会計士のダブルライセンスの需要とメリット

目次
  • 1.弁護士と公認会計士の違いとは?

  • 2.弁護士資格を持つことで会計士資格も取得しやすくなる

  • 3.公認会計士の資格を持つ弁護士ができる業務

  • 4.公認会計士の資格を持つ弁護士の需要

  • 5.弁護士が公認会計士の登録をするメリット

  • 6.まとめ

1.弁護士と公認会計士の違いとは?

弁護士と公認会計士はどちらも最難関の国家試験です。両者の仕事内容は大きく異なるため、ダブルライセンスによって仕事の幅が広がります。両者の仕事はどのように違うのでしょうか?

弁護士は、あらゆる法律トラブルを取り扱う法律の専門家です。訴訟代理人として裁判手続きを行ったり、示談交渉や契約書の作成等の法律事務を代行することができます。

これに対して、公認会計士は財務や会計のスペシャリストです。独立した立場で企業の財務情報を監査し、公正な経済活動を支援します。会計監査以外にも、税務やコンサルティング等の業務を取り扱います。公認会計士が企業の財務情報の信頼性を確保することによって、投資家が安心して投資活動を行うことができます。

2.弁護士資格を持つことで会計士資格も取得しやすくなる

公認会計士の試験は、会計資格の中で最も難しい国家試験です。金融庁管轄の公認会計士・監査審査会のデータによると、令和3年の公認会計士試験の最終合格者数は1,360人で、合格率はわずか9.6%です。

【公認会計士・監査審査会】令和3年公認会計士試験の合格発表について

公認会計士の試験は、短答式試験と論文式試験の二段階に分かれています。短答式試験は、年に2回(5月と12月)行われます。短答式試験に合格すると、論文式試験を受験することができます。論文式試験は、年1回(8月)です。

弁護士は、公認会計士試験の科目が一部免除されます。免除される科目は、受験した司法試験の科目によって異なります。例えば、旧司法試験第2次試験合格者は、旧司法試験の第2次試験において受験した科目が免除となります。第2次試験で受験した科目が会計学である場合は、公認会計士試験の会計学が免除されます。

【公認会計士・監査審査会】公認会計士試験に関するQ&A

3.公認会計士の資格を持つ弁護士ができる業務

弁護士と公認会計士の業務の範囲は、どのように異なるのでしょうか?

弁護士法第3条によると、「弁護士は、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によって、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする」と定められています。つまり、社会で生じるあらゆる法律トラブルについて、裁判や調停、示談交渉などの法的手段を用いて解決に導くことが、弁護士の業務です。

一方で、公認会計士の業務は、大きく分けて3つの分野に分かれます。

①監査

企業から独立した立場で財務の監査を行い、企業の財務情報の信頼性を担保します。監査業務には、法定監査と法定監査以外の2種類があります。

法定監査とは、法令によって義務付けられている監査です。会社法に基づく監査や金融商品取引法に基づく監査は、法令監査に分類されます。法定監査以外の監査とは、特別目的の財務諸表の監査や、法定監査以外の会社の財務諸表の監査を指します。

なお、公認会計士が行う監査の対象は、企業だけではありません。学校法人や公益法人、医療法人、社会福祉法人、独立行政法人、一般社団・財団法人等の監査を行うこともあります。

②税務

公認会計士は、税理士登録をすることによって税務業務を行うことができます。具体的には、税務官庁との交渉や税務書類の作成、企業再編に伴う税務処理、海外現地法人設立のための国際税務支援、税務相談や助言等を行います。

③コンサルティング

公認会計士は、会計や税務のスペシャリストであるため、経営に関するアドバイスを行うことができます。例えば、会社の経営戦略や長期経営計画を通じたトップ・マネジメント・コンサルティングを行ったり、内部統制組織の立案や相談等を行います。その他にも、株価や知的財産の評価を行ったり、資金管理や固定資産管理等の管理会計の立案やアドバイスを行います。

このように、公認会計士は、会計の専門知識を生かして企業のビジネスアドバイザリーとして活躍することが期待されています。

4.公認会計士の資格を持つ弁護士の需要

公認会計士は、医師や弁護士とともに三大国家資格と称されています。弁護士と公認会計士のダブルライセンスは、この三大国家資格の二つの資格を持つことを意味するため、付加価値の高い人材として高く評価されます。正確なデータはありませんが、弁護士と公認会計士の両方の資格を持つ人は日本全国でわずか100~200人程度だと言われており、非常に希少な人材であることは間違いありません。

弁護士と公認会計士のダブルライセンスを持つと、様々な分野での活躍が期待できますが、特にM&Aの分野においてのニーズが高いと考えられます。M&Aの手続きでは、法務デューデリジェンスと財務デューデリジェンスが必須であり、通常は弁護士が法務デューデリジェンスを担当し、公認会計士が財務デューデリジェンスを担当します。弁護士と公認会計士のダブルライセンスを持っていれば、法務デューデリジェンスと財務デューデリジェンスを一人で請け負うことができ、法務と財務の双方の面から総合的に企業分析を行うことができます。クライアントとしても、弁護士と公認会計士に別々に依頼する必要が無くなるため、利便性が高まります。

少子高齢化が進む昨今では、経営者の高齢化が深刻化しており、企業の後継者不足は社会問題となっており、その解決手段としてM&Aの需要が高まっています。これに伴い、弁護士と公認会計士の両資格を持つ人材の需要は今後益々増加するものと考えられます。

5.弁護士が公認会計士の登録をするメリット

弁護士が公認会計士とのダブルライセンスを取得すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?

①財務・法務の両側面からサポートできる

企業や個人が抱えるトラブルの多くは、法律と会計の問題が複雑に絡まり合っています。例えば、企業の民事再生の手続きにおいては、裁判所での法的手続きという点では法律の知識が必須となりますが、再生案を検討するうえでは会計や税務の知識が不可欠です。このため、一つの事案に対して弁護士と公認会計士が協力して解決に当たることが必要となります。しかし、弁護士と公認会計士のダブルライセンスを持つ人であれば、財務の問題と法的な問題の双方を一人で把握することができるため、他者の協力を仰ぐ必要がありません。クライアントに対してノンストップのサービスを提供することができるため、クライアントからの信頼性も高まります。

②転職で有利となる

弁護士と公認会計士のダブルライセンスを持つ人材は非常に希少であるため、他の弁護士と差をつけることができます。特に、M&Aを多く取り扱う法律事務所への転職では、即戦力の人材として高く評価されます。他にも、ダブルライセンスを持つコンサルタントとしてのポジションや、経営企画とリーガルの両方を担うポジションに応募する場合には、有利に評価されます。
以上のとおり、弁護士と公認会計士のダブルライセンスには大きなメリットがあります。なお、公認会計士以外の資格とのダブルライセンスについては、下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

弁護士のダブル(トリプル)ライセンスについて

6.まとめ

公認会計士は会計のスペシャリストであり、最難関の国家資格です。公認会計士試験に合格するまでには時間も費用もかかりますが、ダブルライセンスを取得すれば仕事の幅が広がり、弁護士としての大きなキャリアアップにつながります。公認会計士とのダブルライセンスをお考えの方は、いつでも転職エージェントにご相談ください。株式会社C&Rリーガル・エージェンシー社は、弁護士専門の転職エージェントとして、弁護士の就職・転職について総合的なアドバイスを行っております。弁護士の就職・転職についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

記事提供ライター

元弁護士 ライター
東京大学卒業後、2009年に司法試験に合格。弁護士として知的財産業務、企業取引等のビジネス関連の業務を扱う。現在は海外に在住し、法律関連の執筆や講演を行う。

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