【79期向け】司法修習の導入修習とは?流れ・カリキュラム・寮生活や持ち物まで徹底解説【先輩の体験談つき】
- INDEX
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導入修習とは?司法修習のスタートを切る研修
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導入修習の内容とカリキュラム
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導入修習の時期と場所
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導入修習の生活:寮生活と通所のリアル
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導入修習に必要な服装・持ち物
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先輩修習生の体験談とアドバイス
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まとめ:導入修習を乗り越えて司法修習をスタートしよう
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司法試験を突破したあなたを待ち受けるのは、法曹としての第一歩となる「司法修習」。その幕開けを飾るのが、埼玉・和光市の司法研修所で約3週間にわたって行われる「導入修習」です。全国から集まる同期たちとともに過ごすこの期間は、まさに“法曹としての助走期間”。緊張や不安、そして期待が入り混じる、密度の濃いスタートになります。
本記事では、導入修習の目的やカリキュラムの流れをわかりやすく紹介するだけでなく、寮生活で役立つアイテムや服装の注意点、さらには先輩修習生からのリアルなアドバイスまで、余すことなくお届けします。準備がまだの人も、ちょっと不安な人も、まずはここから始めてみましょう。
導入修習とは?司法修習のスタートを切る研修
司法修習の第一歩として実施される「導入修習」は、法曹としての基礎を身につけるためのスタートラインです。この3週間が、すべての修習の出発点となります。
■導入修習の目的と役割
導入修習の最大の目的は、「実務の入口を体感しながら、司法修習全体への助走をつけること」。司法試験で得た知識を土台に、実務の現場でどのように法を扱うのか、その感覚を養うカリキュラムが用意されています。
特に重視されるのは以下のポイントです。
・法曹として求められる姿勢や倫理観を養う
・実務修習に備えて、裁判・検察・弁護それぞれの基礎を学ぶ
・グループワークや討論を通じて、他者との協働力を養う
・全国の修習生と交流し、人脈や情報基盤をつくる
試験勉強の延長ではなく、「実務に出る準備段階」として位置づけられていることが、導入修習ならではの特徴です。
■司法修習における位置づけ
司法修習は、「導入修習」から始まり、「分野別実務修習」「選択型実務修習」「集合修習」、そして最後の「二回試験」へと進んでいきます。導入修習は、すべての修習生が同じ場所でスタートを切る、唯一の共通プログラム。実務修習に向けた“土台づくり”の期間でもあります。
講義や起案、グループワーク、そして寮生活まで、多様な経験が詰め込まれた濃密な3週間。単なる知識の復習ではなく、法曹としての日常を体感し、生活リズムや心構えを整えていくフェーズです。
司法試験からの解放と、新しい環境への緊張が入り混じる中で、法曹としての自分に少しずつ慣れていく。その感覚を最初に味わえるのが、導入修習です。
導入修習の内容とカリキュラム
導入修習は約3週間という短期間ながら、実務修習へとスムーズに進むための濃密なプログラムが組まれています。司法試験を突破した修習生に「これからは実務家として学ぶ立場になる」という意識を芽生えさせる、いわば“法曹としての洗礼”のような意味合いもあります。
■開始直後のオリエンテーションと初期講義
導入修習が始まると、最初の2日間はオリエンテーションを兼ねた基礎的な講義が行われます。教官の自己紹介や研修所生活の説明に加え、白表紙(司法研修所から配布される教材)や事前課題を題材に、起案の進め方や実務で求められる基本的な視点を確認します。
この時間は、教官と修習生が初めて顔を合わせる機会であり、雰囲気は比較的和やかに進みます。
ただし、刑事弁護科目では注意が必要です。模擬接見の課題をもとに、修習生が指名されて教官相手に接見を実演することがあり、70人近いクラスメイトの前で突然の実演を求められる場面も。実務経験のない修習生が戸惑うことは珍しくなく、まさに“最初の試練”といえます。不意に指名されても対応できるよう、事前課題にしっかり取り組んでおくことが安心につながります。
■導入起案とは?科目別の課題と流れ
オリエンテーションが終わると、早くも3日目あたりから「起案」が始まります。これは、修習生が実務を模擬的に体験する最初の演習であり、いわゆる「導入起案」と呼ばれるものです。
課題は民事裁判・刑事裁判・検察・民事弁護・刑事弁護の5科目にわたり、それぞれ3時間程度で答案を書き上げる「ハーフ起案」として課されます。司法試験から時間が経っているうえに、教官の講義をわずかに受けただけでいきなり答案作成を求められるため、多くの修習生が「全然書けない……」と焦るのが定番です。
ただし、この導入起案は最終的な成績には反映されません。大切なのは「時間内で答案をどう組み立てるかの感覚を掴むこと」や「自分の理解がどこで止まっているかを知ること」です。もっとも、裁判官や検察官を志望する場合には、任官・任検の評価に影響する可能性があるため、最低限の準備はしておいた方が安心でしょう。
後日の解説講義では、答案作成の基本的なルールや考え方が丁寧に説明されます。この機会を活かして「自分の弱点を把握する」ことが、その後の実務修習や集合修習に向けた最大の収穫となります。
■模擬裁判やグループワークの実践
導入起案を終えると、次はクラス全体での実践型カリキュラムが待っています。代表的なのが模擬裁判やグループワークです。
模擬裁判では、訴訟記録をもとに事実認定や法的評価を行い、判決を書いたり、口頭弁論をシミュレーションしたりします。普段の座学とは違い、法廷での思考や手続の流れを肌で感じられる点が大きな特徴です。司法試験の勉強では見えづらかった「実務での考え方の型」を掴むきっかけになります。
一方、グループワークでは複数人で課題を議論しながら結論を導きます。検察系では「どの証拠を収集すべきか」、民事系では「当事者の主張整理をどう進めるか」といったテーマが設定され、役割分担をしながら進めていくのが一般的です。
この場で大切なのは積極的な参加姿勢。同期と意見交換をすることで自分では気づけなかった視点に触れられる一方、恥ずかしいからといって消極的になると学びが半減してしまいます。結論の正確さよりも「実務をどう考えるかの過程」に重点が置かれているので、恐れずに意見を出してみましょう。それこそが学びを深める経験となり、結果として評価にもつながります。
■講義科目とソクラテスメソッド
導入修習の後半では、起案の解説講義に加えて、事前課題の検討やグループワークを通じて、実務修習に必要な基礎知識を身につけていきます。
たとえば検察科目では「捜査演習」として、事件発生後にどの証拠を収集すべきかをグループで検討します。一方、民事系科目の中心となるのは「民事総合」と呼ばれる演習です。原告と被告に分かれて訴訟の見通しや主張整理を考えることで、法廷実務の流れを疑似体験できます。
そのうえで特に注意したいのが、民事弁護の講義です。この講義では、民事執行・民事保全・和解条項といったテーマを、教官室作成のレジュメを使って学びます。このレジュメ、実は後の集合修習での起案や二回試験に直結していて、実際に出題された小問の多くが、導入修習の資料から出ていることも珍しくありません。この講義を押さえておくことが、後の起案を安心してこなすための近道です。
講義スタイルは、ロースクールでおなじみのソクラテスメソッド(双方向型授業)が基本。教官の問いかけに答えながら議論を深めていく形式のため、ただ座って聞いているだけでは到底ついていけません。
クラス全員の前で発言するのは勇気がいりますが、問われているのは正解そのものではなく、「考えを整理して伝える力」。自信がなくても、発言することに意味があります。
ここでのポイントは、とにかく予習を怠らないこと。事前課題や配布資料をしっかり読んで授業に臨めば、発言の機会がそのまま学びにつながります。逆に準備を怠ると、内容についていけず、消極的になってしまうことも。
短い期間だからこそ、「どれだけ準備に時間をかけられるか」が、導入修習を充実させるカギとなります。
導入修習の時期と場所
導入修習は、司法修習の最初に行われるプログラムであり、全国の修習生が一堂に会する最初で最後の機会でもあります。その時期や会場となる司法研修所の環境を知っておくことは、安心して修習に臨むための第一歩です。
■導入修習はいつ行われる?期間とスケジュール
導入修習は、司法修習の最初に行われるプログラムであり、全国の修習生が一堂に会する最初で最後の機会でもあります。その時期や会場となる司法研修所の環境を知っておくことは、安心して修習に臨むための第一歩です。導入修習は、司法試験合格発表(例年11月頃)から数か月後、翌年3月中旬〜4月にかけて約3週間の日程で実施されます。修習開始直後のタイミングで全修習生が一堂に会し、講義・起案・演習などを集中して受けるのが特徴です。
最初の数日は事前課題や起案の基本的な解説が行われ、その後すぐに民事裁判・刑事裁判・検察・民事弁護・刑事弁護といった各科目の起案やグループワークが始まります。終盤には実務修習に向けたガイダンスがあり、その後すぐ全国の修習地へと派遣される流れです。
短期間ながらスケジュールは非常にタイトで、修習生にとっては「受験モードから実務モードへ切り替える助走期間」といえるでしょう。
■司法研修所(和光市)の環境とアクセス
導入修習の舞台となるのは、埼玉県和光市にある司法研修所です。東京・池袋駅から東武東上線の急行を利用すれば、約15〜20分で和光市駅に到着します。そこから研修所までは徒歩で約20分、バスを利用すればおよそ10分です。
ただし、注意すべきは朝のバスの混雑。特に寮に入っていない修習生(通所組)が駅からバスに集中するため、出勤ラッシュと重なって満員状態になります。短い距離とはいえ、余裕を持って出発するか、徒歩も選択肢に入れておくと安心です。
研修所の敷地には講義棟や寮のほか、体育館や運動場も整備されており、生活環境は整っています。さらに、すぐ隣には和光樹林公園が広がっており、ランニングや散歩をしてリフレッシュする修習生も多いです。日々の緊張感のある研修の合間に、自然の中で気分を切り替えられる環境が整っているのも和光ならではといえるでしょう。
導入修習の生活:寮生活と通所のリアル
導入修習では、全国から集まった修習生が同じ時間割をこなす一方で、生活スタイルは「寮生活」か「通所」かによって大きく変わります。どちらを選ぶかで日々の負担や交流の仕方も異なるため、事前にイメージを掴んでおくことが大切です。
■いずみ寮・ひかり寮の設備や過ごし方
司法研修所に併設されている寮には、代表的なものとしていずみ寮とひかり寮があります。どちらも徒歩圏内にあり、個室にはベッド・机・冷蔵庫・エアコン・シャワーなど最低限の設備が整っています。ランドリー室には共用の洗濯機やアイロンがあり、長期滞在でも安心です。
ただし、自炊はできません。調理設備がないため、食事は研修所の食堂や周辺のスーパー・コンビニで調達するのが基本です。毎日惣菜や外食が続くと飽きてしまうこともありますが、同期と一緒に食堂でご飯を食べる時間は「小さな楽しみ」になっている人も少なくありません。
■寮生活のメリット・デメリット
寮の最大のメリットは、研修所まで徒歩数分で通えること。朝の混雑したバスを避けられるだけでなく、天候に左右されにくいため遅刻の心配がほとんどないのは大きな安心材料です。さらに、同じ寮に住む同期と自然に顔を合わせるため、勉強や悩みを共有しやすく、仲間との一体感や楽しさを実感できる点は大きな魅力といえるでしょう。
一方で、デメリットもあります。風邪などで体調を崩すと一人での生活がつらくなり、すぐに家族の助けを得られないのは不安要素です。そのうえ、他の修習生に感染させてしまうのではないかという心配も生まれるでしょう。また、プライベートな時間は限られ、常に同期と一緒にいるため、気を抜ける時間が少ないと感じる人もいます。
■自宅通所との違いと選び方
自宅や実家から通所する場合は、普段の生活環境を保てるのがメリットです。休日もリフレッシュしやすく、生活リズムを大きく変えずに修習に臨めます。
ただし、和光市駅から研修所までは徒歩20分またはバス10分。特に朝は通所組の修習生でバスが非常に混雑するため、体力的な負担は避けられません。授業での緊張感に加えて通勤の疲労が重なる点は覚悟が必要です。
また、通所組はどうしても同期との交流が限定的になりがちです。寮生は授業後も一緒に食堂で食事をしたり、夜に勉強会や雑談をしたりするため、自然と仲が深まります。通所組の先輩の中には「寮生が羨ましかった」「情報が寮内で出回りやすく、通所だと少し遅れて耳に入った」という声も少なくありません。
総合的に見ると、効率や交流を重視するなら寮生活がおすすめ。一方で、家庭の事情や体調管理を優先したい人は通所を選ぶのも一つの方法です。
導入修習に必要な服装・持ち物
導入修習は、約3週間の勉強と生活をセットで体験するプログラムです。寮に入る人も、通所する人も、それぞれに準備が欠かせません。特に服装や持ち物は、快適さや集中力を大きく左右します。
ここでは、最低限必要なものから「あれば助かる便利アイテム」まで紹介します。
■服装の基本:スーツと私服のバランス
導入修習では、基本はスーツ着用です。開講式や講義、起案、グループワークなど、公的な場面ではフォーマルさが求められます。
男性は黒・紺・グレーなどの落ち着いた色合いのビジネススーツであれば十分で、必ずしもリクルートスーツやダークスーツに限定されるわけではありません。ネクタイも派手でなければ自由で、ストライプや淡い色のものを選んでいる修習生も多いです。
女性の場合もスーツに限らず、ジャケットを羽織ったオフィスカジュアルで問題ありません。ブラウスやスカート/パンツとの組み合わせで、落ち着いた色味を選べば安心です。華美な色やデザインは避け、清潔感を意識しましょう。
また、寮に入る修習生は私服も必要です。毎日スーツで過ごすのは体力的に負担が大きいため、休日や寮内では動きやすい服装に着替える人がほとんど。ジャージやスウェットなど、リラックスできる服装を持参しておくと快適に過ごせます。
■持っていくと便利なアイテム
導入修習に最低限必要なのはノートPC・筆記用具・スーツ数着ですが、実際に生活してみると「持っておけばよかった」と思う小物が意外と多いものです。ここでは、寮生活を送る修習生と通所する修習生に分けて紹介します。
■寮生活をする人におすすめのアイテム
・PC/タブレット:課題作成や調べ物に必須。プリンターは不要(PDFをUSBメモリ等の記録媒体に入れて研修所で無料印刷可)。
・雑巾・ウェットティッシュ:部屋が前の入寮者のまま残っていることもあり、入居直後に掃除する人が多い。
・スリッパやサンダル:室内用に必須。寮内の移動やくつろぎに便利。
・延長コード・電源タップ:コンセントの位置が悪い部屋もあるため重宝。
・ドライヤー:備え付けがないため必須。
・常備薬:風邪や頭痛など体調不良に備える。
・電気ポット:部屋でコーヒーやお茶を淹れてリフレッシュできる。
・加湿器や空気清浄機:乾燥やハウスダストに弱い人は持参すると安心。
・洗剤・シャンプー・日用品:和光駅近くのイトーヨーカドーや、寮近くのスーパー「サンディ」で入手可能。
・ハンガーや洗剤など:直前まで入寮していた先輩が置いていった物を“早い者勝ち”でもらえる場合もある。
寮で食事は自炊できないため、食器類は不要です。紙コップや割り箸程度を持参する人はいます。
■通所する人におすすめのアイテム
・PC/タブレット:講義や課題で必須。
・参考書・白表紙教材:ロッカーに置いておけば荷物を減らせる。
・資料類:配布資料やテキストはロッカーにまとめて保管できる。
・替えのシャツ:急な汗や汚れに備えてロッカーに常備すると安心。
・研修所内で履く靴:通学用と履き替え用を分けると便利。通勤はスニーカー、研修所ではヒールや革靴に履き替える修習生も多い。
通所組は自宅から必要なものを持って来られるため、寮生活のように大量の荷物を抱える必要はありません。さらに、通所組のみに用意されている専用ロッカーを活用することで、荷物を最小限にして身軽に通えるのが大きなメリットです。
■Wi-Fi環境や勉強道具の準備ポイント
司法研修所の寮にはWi-Fi環境が整備されていないため、各自でインターネット環境を用意する必要があります。スマホのテザリングで対応する人もいますが、通信量が多くなりがちなので、モバイルWi-Fiルーターをレンタル・契約して持参する修習生が多いです。特に調べ物や課題作成が続く導入修習中は、安定した通信環境があると安心して作業できます。
勉強道具は、最低限のノートPC・筆記用具に加えて、研修所から送られてくる「白表紙教材」が中心になります。事前にダンボールで届く白表紙は、そのまま研修所へ宅配便で送ってしまうと荷物が減らせて便利です。
さらに、基本書は民法や訴訟法のテキストを持っていると安心。必要最低限に絞ることが大切で、持ち込みすぎると部屋が手狭になるので注意しましょう。
先輩修習生の体験談とアドバイス
導入修習を経験した先輩たちは、印象に残った授業や学び、生活上の苦労など、さまざまなリアルな声を寄せています。ここでは、その一部を紹介します。
■印象に残った授業・役立ったカリキュラム
導入修習の授業は多岐にわたりますが、先輩たちが特に「役立った」と語るのは実務を意識した演習や解説講義でした。印象に残った授業の声を紹介します。
「民事裁判修習の争点整理の演習では、事案の全体像を把握しつつ適切に争点を抽出・整理する難しさと重要性を実感しました。今後の実務に必要な視点を得る貴重な経験となりました。」(20代・男性)
「各科目の即日起案の解説講義が役立つと感じました。特に、初めて制限時間内で起案を行った直後に解説があるため、記憶も鮮明で復習効果が高かったです。」(30代前半・女性)
「刑事裁判に関する法曹三者(裁判官・検察官・弁護士)が同時に講義をする授業は非常に勉強になりました。立場が異なる三者の意見が時に一致する場面もあり、法曹に共通する根底の価値観を学べたのが印象的でした。」(20代・男性)
「民事弁護の授業では、税務や行政関係の文書の読み方を体系的に学べ、依頼者に適切に助言するための基礎を身につけられたのが大きな収穫でした。」(20代・男性)
どの先輩も「授業や起案を通じて司法試験では得られなかった実務感覚を養えた」と語っています。即日起案や模擬演習の解説は、復習のタイミングも近く理解が深まりやすいと評判です。
■全体を通じて得られたこと
3週間の導入修習を終えたとき、先輩たちはどんな手ごたえを感じたのでしょうか。仲間との出会い、学習姿勢の変化など、全体を振り返った感想です。
「導入修習では、検察・裁判・弁護各起案の書き方について、修習前には具体的なイメージが持てなかったものの、実際の講義や演習を通じて理解が深まりました。同じ志を持つ仲間と出会い、支え合える環境ができたのも大きな収穫です。」(20代・男性)
「私のクラスは、多様なバックグラウンドを持つ修習生が多くおり、社会人経験者の話を聞けたのはとても貴重でした。ディスカッションやイベントを通じて、同期の輪が広がったのも良かったです。」(30代前半・女性)
「導入修習全体を通して感じたのは、大学生の延長のような開放的な雰囲気があるということでした。人間関係も盛んで、勉強だけでなく楽しく有意義な時間を過ごすことができました。」(20代・男性)
導入修習は勉強の場であると同時に、全国から集まった同期との交流の場でもあります。仲間との出会いは修習後の実務でも続く財産になる、と多くの先輩が実感しています。
■悩んだこと・事前に準備しておくとよいこと
充実した日々の一方で、悩みや苦労も少なくありません。学習面・生活面それぞれで「こうしておけばよかった」と感じたポイントを紹介します。
「刑事と民事で求められる視点や考え方が大きく異なるため、頭の切り替えに苦労しました。午前と午後で分野が変わる日もあり、柔軟な思考が必要だと痛感しました。」(20代・男性)
「司法試験が終わって以来、法律の勉強を怠ってしまっていたため、ディスカッションで実力差を感じました。意見を言えず、もどかしい思いをしたのを覚えています。」(30代前半・女性)
「導入修習中は給付金の支給がなく、自炊もできないため、周辺スーパーの総菜に頼る生活でした。3週間近く続くと飽きてしまい、経済的にも苦労しました。」(20代・男性)
「司法研修所の設備・環境が思ったより過酷で、いずみ寮は空気がとても乾燥していました。卓上加湿器などを持参しないと体調を崩しやすいので注意が必要です。」(20代・男性)
事前準備の不足や生活環境の違いに苦労する声が多く聞かれます。学習面では「試験後も最低限の勉強を続けておく」こと、生活面では「加湿器・常備薬・食費の備え」がポイントになりそうです。
■これから司法修習を迎える人へのメッセージ
最後に、先輩たちから後輩へのエールを紹介します。不安を和らげるアドバイスや心構えが詰まっています。
「導入修習は、知識だけでなく姿勢や考え方を学ぶ大切な機会です。課題に正解はなく、考える過程そのものに意味があります。悩むことも含めて糧になるので、焦らず前向きに学んでください。」(20代・男性)
「導入修習は勉強だけでなく、交流を深める期間にもなります。司法試験後も学びを続けつつ、人との出会いを楽しみにしてください。」(30代前半・女性)
「導入修習の人間関係は修習後も財産になります。積極的に人と関わり、幅広い同期とつながることをおすすめします。」(30代後半・男性)
「焦らなくて大丈夫」「同期との出会いを大切に」という声が多数。導入修習は勉強だけでなく、人間関係を築く絶好のチャンス。肩の力を抜きつつ積極的に取り組むことが、後の修習や実務に大きな糧となります。
まとめ:導入修習を乗り越えて司法修習をスタートしよう
導入修習は、司法修習の最初に待ち受ける大きな関門です。スーツに身を包んでの講義や起案、グループワークに取り組む日々は緊張の連続ですが、その中で法曹としての姿勢を学び、仲間との絆を築き、実務の入口に立つ準備が整っていきます。
先輩修習生が語るように、導入修習は決して「試験勉強の延長」ではなく、実務への助走期間であり、同期とともに歩む貴重な時間です。不安や苦労もある一方で、この経験が後の修習やキャリアの大きな糧となります。
これから司法修習を迎える方は、ぜひ準備を整え、積極的に楽しむ気持ちで臨んでください。
導入修習やその後の修習生活についてさらに知りたい方は、以下のページで体験談や求人情報もチェックできます。きっと役立つ情報が見つかるはずです。
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