業界トピックス

弁護士向け│転職における「カジュアル面談」とは?目的・流れ・メリット・注意点を解説

INDEX
  • カジュアル面談とは?弁護士転職での位置づけ

  • どんな場面でカジュアル面談が使われるのか

  • カジュアル面談の一般的な流れ

  • 「選考ではない」と言われても意識しておきたいポイント

  • カジュアル面談を設定するメリット

  • カジュアル面談では何を話せばいい?

  • 実際にあったカジュアル面談の活用事例

  • カジュアル面談を受ける際の注意点

  • まとめ|弁護士転職でカジュアル面談を上手に使うために

近年、弁護士の転職活動において「カジュアル面談」という言葉を目にする機会が増えています。求人票に「カジュアル面談OK」「まずはご相談ください」と書かれていたり、エージェントから「本選考の前に一度話してみませんか」と提案されたりした経験がある方もいるかもしれません。
 
カジュアル面談は、一般的な面接とは異なり、選考を目的としない情報交換の場とされています。一方で、「どこまで準備すべきなのか」「本当に選考要素はないのか」「話した内容が評価に影響することはないのか」と、不安や疑問を感じる方も少なくないでしょう。
 
本コラムでは、転職を考える弁護士の方に向けて、カジュアル面談がどのような位置づけのものなのか、一般的な流れや活用するメリット、注意しておきたいポイントを整理します。本選考に進むかどうかを判断するための材料として、ぜひご活用ください。

カジュアル面談とは?弁護士転職での位置づけ

カジュアル面談は選考の場ではなく、情報交換のための面談です。まずは基本的な位置づけを押さえておきましょう。

カジュアル面談は選考ではない情報交換の場

カジュアル面談とは、一般的に、本選考に進む前に応募先を知るための機会として設けられる面談です。合否を判断するための面接ではなく、情報交換を目的とした場とされています。
 
法律事務所・企業の法務部門それぞれが、会社やポジションの概要を説明し、候補者側は業務内容や働き方、組織の雰囲気などについて自由に質問することができます。
 
イメージとしては、新卒向けの会社説明会を1対1で行うような形に近く、形式張った受け答えを求められる場ではありません。本選考に進む前に、応募先への理解を深めたり、自身のキャリアの方向性を整理したりするための機会として活用されます。

求人票に「カジュアル面談OK」と書かれている場合の考え方

求人票に「カジュアル面談OK」「まずはご相談ください」といった記載がある場合、その法律事務所・企業はカジュアル面談を前向きに活用していると考えてよいでしょう。応募のハードルを下げ、まずは話を聞いてもらうことを歓迎しているケースが多く見られます。
 
このような場合は、過度に構えすぎず、気になる点を整理したうえで気軽に申し込んでも問題ありません。応募を前提とせず、法律事務所・企業やポジションへの理解を深める場として活用するとよいでしょう。

カジュアル面談について記載がない場合に依頼するときの注意点

一方で、求人票にカジュアル面談に関する記載がない法律事務所・企業も多くあります。特に法律事務所では、カジュアル面談自体に不慣れなケースも少なくありません。その場合、「本選考に応募すればいい話では」と受け取られることもあります。
 
こうした法律事務所・企業にカジュアル面談を依頼する際には、「本選考の前に、業務内容や法律事務所の方向性について理解を深めたい」といったように、面談の目的・意図・話したい内容・誰と話したいかを事前に明確に伝えることが重要です。準備不足のまま依頼すると、そのまま「ではご応募ください」と言われてしまうこともあるため、下準備は必須です。もしそう言われてしまったら、その時は素直に応募するのがよいでしょう。

どんな場面でカジュアル面談が使われるのか

カジュアル面談は、候補者から依頼する場合と、採用側から提案される場合とでは、目的や雰囲気が異なります。自分がどちらの立場で臨むのかを意識しておくことが大切です。

候補者からカジュアル面談を依頼するケース

候補者側からカジュアル面談を依頼するケースとして多いのは、次のような状況です。
 
・応募意思はあるものの、業務内容や働き方について不明点が多く、本選考に進む前に確認しておきたい場合
・決定的な不安や懸念事項があり、興味や魅力に感じる部分もあるものの、それを解消したうえで応募するかどうかを判断したいという場合
 
弁護士転職では、法律事務所の案件の方向性や給与体系・評価制度、独立支援制度や留学支援などのキャリア支援制度の有無など、求人票だけでは判断しにくい点が多いため、こうした活用方法も有効な選択肢の一つです。

採用側からカジュアル面談を提案されるケース

採用側からカジュアル面談を提案されるケースでは、スカウトやエージェント経由で候補者に興味を持ち、まずは話をしてみたいという意図があることが多く見られます。
 
スカウトサイトでは候補者情報が匿名であることも多いため、採用側が「まずは会って話したい、そして自社の魅力を伝えて応募してほしい」という目的で設定するケースもあります。
 
法律事務所・企業側がカジュアル面談を積極的に実施するのは、積極採用中で複数名を採用したい場合、人事機能が整った大手法律事務所・企業の法務部門であるケース、あるいは慎重に選考を進めたいと判断している場合などです。

カジュアル面談の一般的な流れ

カジュアル面談は、応募前後のどの段階で実施されるかによって位置づけが少し異なります。まずは一般的な流れを押さえておきましょう。

申込から面談実施までの流れ

カジュアル面談は、求人票やエージェントを通じて申込・提案が行われ、日程調整のうえで実施されるのが一般的です。オンラインまたは対面で行われることが多く、時間は30分から1時間程度が目安です。面談の場では、法律事務所・企業説明や業務内容の共有、質疑応答が中心となります。原則として1回のみの実施となるケースが大半です。

カジュアル面談後に本選考へ進む流れ

カジュアル面談が終了すると、採用側またはエージェントから本選考に進むかどうかの意向確認が入ることがあります。面談を通じて理解が深まり、応募意思が固まった場合には、改めて応募手続きを行い、書類選考から本選考へ進む流れになります。
 
カジュアル面談を行ったからといって、必ず本選考に進まなければならないわけではありません。面談を通じて応募を見送る判断をすることも、もちろんあってよいのです。

書類選考後にカジュアル面談が組まれるケースもある

比較的少数ですが、外資系法律事務所やハイレイヤーポジションなどでは、書類選考を通過したあと、本選考に進む前の段階でカジュアル面談が組まれるケースもあります。お互いの解像度を高めてから選考を進めることが目的です。
 
このような場合は、採用側が一定の関心を持ったうえで面談に臨んでいると考えられます。通常のカジュアル面談よりも、業務内容やスキル・経験について踏み込んだ話が出ることもあるため、やや選考に近い意識で臨むのが無難でしょう。

「選考ではない」と言われても意識しておきたいポイント

カジュアル面談は「選考ではない」と説明されることが多いものの、まったく影響がないとは言い切れないのが実情です。安心しつつも、最低限押さえておきたい点を確認しておきましょう。

事前に経歴・スキルの提出を求められることがある

カジュアル面談を申し込む際や日程調整の過程で、簡単な経歴やスキルが分かる資料の提出を求められることがあります。特に法律事務所の場合は、採用側がスキルを確認するために経歴の提示を求めるケースが多く、事実上、選考要素が発生することもあります。
 
場合によっては、経験やスキルが募集要件と大きくかけ離れている場合に、カジュアル面談の実施自体を丁重に断られることもあり得ます。

 

カジュアル面談でも印象は残る

カジュアル面談は合否を判断する場ではないとされていても、面談中の受け答えや姿勢が評価にまったく影響しないとは言い切れないのが実情です。「選考要素はない」というテイが多いですが、面談は評価の場ではなくても、印象は残ります。
 
とはいえ、過度に緊張する必要はありません。形式的な受け答えよりも、率直な関心や疑問を持っていることを伝える方が、建設的な対話につながりやすいでしょう。ガチガチに固まりすぎると、せっかくの情報収集の機会がうわべで終わってしまうこともあります。

面談後に選考へ進めないケースもある

カジュアル面談後、スキル・経験・志向性などの観点から、採用側が本選考への案内を見送るケースもあります。これは実質的に書類選考に近い役割を果たす場合があるためです。
 
一方で、候補者側が面談を通じて応募を見送る判断をすることも珍しくありません。双方が理解を深めるための場として、有効に活用しましょう。

カジュアル面談を設定するメリット

カジュアル面談は、候補者・採用側それぞれにとって、本選考前に相互理解を深める機会となります。それぞれの立場から、どのようなメリットがあるのかを整理してみましょう。

候補者側のメリット:法律事務所・企業理解とキャリア整理

候補者にとっての最大のメリットは、求人票やウェブサイトだけでは分かりにくい情報を直接確認できる点です。法律事務所であれば扱う案件の傾向や法律事務所の雰囲気、パートナーとの距離感など、企業であれば法務部門の役割や他部署との関係性など、リアルな情報を得ることができます。
 
また、担当者と話す中で、自身の経験や志向がその法律事務所・ポジションと合っているかを整理する機会にもなります。本選考前にキャリアの方向性を再確認できるため、入所後・入社後のギャップを減らすうえでも有益です。

採用側のメリット:採用ブランディングと母集団形成

採用側にとっても、カジュアル面談は有効な手段です。法律事務所・企業の魅力を伝えることで、候補者にポジティブな印象を持ってもらいやすくなります。
 
特に弁護士採用は専門性が高く採用の母集団形成が難しいため、カジュアル面談を通じてすぐに応募に至らない層とも接点を持つことで、将来的な採用につなげることができます。

カジュアル面談では何を話せばいい?

カジュアル面談のテーマに厳密な決まりはなく、事前に確認しておきたいことであれば基本的に何でも話題にできます。よく挙がるテーマとしては、業務内容や組織メンバー、働き方、給与、制度、期待値のすり合わせなどです。求人票だけでは分からないリアルな情報を、この場で補っておくとよいでしょう。
 
年収や待遇などの条件面は、カジュアル面談の場で触れてもよいのか迷う方もいるかもしれません。条件交渉の場として使うのは適切ではありませんが、年収レンジの考え方や評価制度の概要など、制度の枠組みを確認する程度であれば、聞き方に配慮しつつ触れてみてもよいでしょう。

実際にあったカジュアル面談の活用事例

カジュアル面談は、選考前のすり合わせや判断材料として、実務上さまざまな形で活用されています。ここでは、実際によく見られる事例を紹介します。

事例①:複数採用を見据えた法律事務所側の積極活用

ある大手法律事務所では、法律事務所規模拡大のため複数名採用を計画。多くの応募者との接点を持ち法律事務所をアピールする目的で、法律事務所側がカジュアル面談を積極的に実施しました。
 
候補者側にとっては、報酬面や働き方など通常の選考では聞きづらいテーマについて、応募前にオープンに確認できる機会となりました。その結果「選考に進んでから条件が合わないとわかった」というミスマッチを避けられ、志望度が高まった状態で不安なく本選考に臨めたようです。
 
法律事務所側・候補者側の双方にとって、カジュアル面談が有効に機能したケースです。

事例②:方向性の目線合わせを目的に相互依頼したケース

相応のスキルを持つ弁護士候補者が、ある法律事務所との方向性の相性を確認したいという目的でカジュアル面談を依頼したケースです。法律事務所側も事前に目線合わせをしておきたいという意向があり、双方の合意のもとで実施しました。
 
案件レベルの具体的な話が必要だったため、候補者は個人情報をマスキングしたうえで経歴を提示。結果として選考要素を含む面談となりましたが、話し合いを通じてお互いの方向性が合わないことが明確になり、本選考には進まないという判断ができました。
 
無駄な選考を避け、双方が早い段階で見切りをつけられたという意味で、カジュアル面談が本来の機能を発揮した事例です。

事例③:年収水準のギャップをすり合わせたケース

年収上限1,000万円程度に設定されたポジションに対し、それを上回る経験・年収水準の弁護士候補者をエージェントが匿名で紹介したケースです。
 
法務サイドは選考に進めたい一方、人事的には年収面から判断が難しい状況でした。そこで、まず法務部門とのカジュアル面談を実施。面談を通じてスキルや志向性が明確になり、法務部門が本選考への進行を強く推薦した結果、人事側に年収上限の再検討を依頼する流れにつながりました。
 
なお、選考前の段階で条件面の話を深掘りしすぎることにはリスクもあるため、慎重な対応が求められます。

事例④:転職回数が多い点を補足説明したケース

転職回数が多いことで書類選考では不利になりやすいと判断された候補者について、エージェントが「実際に会えばわかってもらえる」と判断しカジュアル面談を依頼したケースです。面談でキャリアの背景や志向性を丁寧に説明した結果、本選考に進む判断がなされました。

カジュアル面談を受ける際の注意点

カジュアル面談は比較的自由度の高い場ですが、状況によって適切な心構えは異なります。どのような立場で参加するのかを意識して臨むことが大切です。

自分から依頼した場合は「面接に近い意識」で臨む

候補者側からカジュアル面談を依頼した場合、採用側は一定の関心を持ったうえで時間を確保しています。形式上はカジュアル面談であっても、心構えとしては面接に近い意識で臨むのが無難です。
 
事前に法律事務所・企業やポジションについて調べ、確認したいポイントを整理しておくことで、限られた時間を有意義に使えます。
 
ただし、カジュアル面談をしたからといって必ず本選考に進まなければならないわけではないため、応募意思が固まっていない場合でも、その点を踏まえたうえで臨んで問題ありません。

採用側から依頼された場合の心構え

採用側からカジュアル面談を依頼された場合は、比較的リラックスした雰囲気で臨んでよいでしょう。法律事務所・企業としては、まずは話をしてみたい、ポジションや魅力を伝えたいという意図が多く見られます。
 
説明会に近い気分で参加してよいですが、せっかくの機会ですので、事前に事業内容や法律事務所の特徴を把握し、確認したい点を整理しておくと、より有意義な時間になります。

選考中・内定後のカジュアル面談との違い

カジュアル面談は本選考前だけでなく、選考中や内定後に設定されることもあります。
 
選考中のカジュアル面談は、面接ほど形式張らないものの、実質的には選考の一部と考えて臨んだ方がよいでしょう。ただし固くなりすぎると情報収集の場がうわべで終わってしまうため、適度にオープンな姿勢を保つことが大切です。
 
また法律事務所の場合、応募前に「うちに興味があるなら軽く食事でも」といった形になることが稀にあります。その場合も、選考要素はあるものと考えておくほうが安全です。
 
内定後のカジュアル面談は、オファー面談とは別に現場メンバーとの顔合わせや業務理解を深める目的で設定されることがあります。合否には直結しませんが、入所・入社後の関係性を見据えたコミュニケーションの場として捉えるとよいでしょう。

まとめ|弁護士転職でカジュアル面談を上手に使うために

カジュアル面談は、弁護士転職において、本選考に進む前に法律事務所・企業理解を深めたり、自身のキャリアを整理したりするための有効な手段です。選考とは異なる位置づけではありますが、使い方次第で転職活動の質を高めることができます。

カジュアル面談が向いている人とは

カジュアル面談は、特に以下のような方に向いています。
 
・応募を迷っている法律事務所・企業があり、事前に確認したい点が多い方
・経歴やスキルに不安があるが、そのポジションには強い関心がある方
・書類だけでは伝わりにくい強みや志向性を、直接話して補足したい方
・転職回数など書類上の不利な点をフォローしたい方
・目線の高い求人にチャレンジしたいが、まず話を聞いてみたいという方
 
経歴に自信がなくても、熱意や人柄が伝わることで選考につながるケースもあります。すべての人に必須というわけではありませんが、「気になるけれど一歩踏み出せない」という方こそ、カジュアル面談をうまく活用してみてください。

エージェントを活用するという選択肢

カジュアル面談は個人で法律事務所・企業に依頼することもできますが、転職エージェントを通じて調整することでよりスムーズに進められるケースも多くあります。エージェントは法律事務所・企業ごとのカジュアル面談のスタンスや過去の実施事例を把握しているため、面談の可否や適切な進め方について適切なアドバイスが可能です。
 
C&Rリーガル・エージェンシー社では、弁護士の転職支援を専門に、カジュアル面談の調整から事前準備・面談後のフォローまで、一貫したサポートを行っています。応募を迷っている段階や情報収集の段階でもご相談いただけますので、カジュアル面談を含めた転職活動の進め方に悩んだ際には、ぜひC&Rリーガル・エージェンシー社までお問い合わせください。

中澤 泉(弁護士)

弁護士事務所にて債務整理、交通事故、離婚、相続といった幅広い分野の案件を担当した後、メーカーの法務部で企業法務の経験を積んでまいりました。その後フリーランスのライターとして活動を経て、現在は合同会社ことりうみにて法律分野を中心にライター・編集者として活動するとともに、弁護士としても企業法務に携わっています。

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