業界トピックス

予備試験合格後の就職活動の方法 予備試験合格パターン別の就職活動(大学生、ロー生、社会人)【80期の就活スケジュール】

INDEX
  • 予備試験合格者はどのタイミングで就職活動を始めるのか、どのように進めるのか

  • 予備試験合格者のフェーズによっても就職活動のやり方は異なる

  • 予備試験合格者は情報収集が重要

予備試験合格者は、法科大学院修了生に比べて早い段階から就職活動を始めることができます。

 

サマークラークのエントリーを皮切りに、その他のクラークや本採用選考といった各ステップを通じて、自分に合った法律事務所を見つけるチャンスを広げましょう。ここでは、2025年以降のスケジュールに沿って、具体的な行動計画を解説します。

予備試験合格者はどのタイミングで就職活動を始めるのか、どのように進めるのか

法科大学院修了生の大半が司法試験後から活動を始めるのに対し、予備試験合格者は司法試験受験前から活動をスタートできます。

 

法律事務所の採用活動は加速傾向にあり、近年では予備試験合格前の段階で内定を出す事務所も増えています。特に、大手や外資系事務所では、サマークラークやウインタークラークの評価を基に選考が進み、結果として早期の内定につながるケースが増加しています。そのため、従来のスケジュール感よりも早めの行動が求められます。

予備試験合格者の就職活動のスタート時期とクラークの種類

大手や外資系の法律事務所では、毎年、説明会やインターン(クラーク)が開催されます。クラークは、事務所の雰囲気を知り、実務を体験する重要な機会です。クラークには以下のような種類があり、それぞれの時期に実施されます。

 

予備試験受験者は、論文式試験が実施される9月前後のタイミングで、サマークラークに参加することが望ましいでしょう。

サマークラーク(8月から9月)

夏季に開催されるクラークで、就職活動に直結する最も重要なプログラムです。サマークラークの期間は、多くの事務所で1週間程度です。実際の法律実務を体験し、日当が支給される場合も多く、内定に直結するケースが目立ちます。

ウインタークラーク・スプリングクラーク(12月から3月)

ウインタークラークは12月から翌年2月、スプリングクラークは2月から3月に実施される短期プログラムです。事務所の雰囲気や働き方を知る初期段階の場として位置づけられ、期間は2~3日程度が一般的です。勤務時間は午前10時から午後6時までの約8時間で、交通費が支給される場合が多いものの、報酬は支給されない点に注意が必要です。

クラークで得られる経験

クラークでは、法律相談の同席、リサーチ業務、書面作成などといった事務所の業務を実際に手伝いながら、自分の能力や適性をアピールする場が設けられます。

 

特に、大手や外資系事務所はこれらのクラークを積極的に開催しており、参加を通じて評価され、内定に直結するケースも少なくありません。

大手事務所以外の就職活動について

一般民事系の小規模事務所や個人事務所では、クラークは実施せず、説明会を中心に採用活動を行うケースが多くなっています。しかし、説明会自体を開催しない事務所もあるので、興味のある事務所に直接問い合わせることが重要です。特に、小規模事務所では個別対応が主流となるため、積極的なアプローチが選考のチャンスにつながります。

 

また、一般民事系の事務所やインハウス(企業内弁護士)を志望する場合、東京では「三会合同就職説明会」のタイミングで本格的な就職活動がスタートします。三会合同説明会は、東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会が合同で開催する全国規模の就職説明会で、大手・中小の法律事務所のみならず、企業法務部門(インハウス)の求人情報も得られる貴重な機会です。

 

この説明会は毎年10月から11月に開催されるのが通例であり、特に一般民事系事務所やインハウス志望者にとって、情報収集の要となるイベントです。近年では、インハウスでも早期選考を実施する企業が増えており、特定の企業がクラークを実施することもあります。そのため、興味のある企業の採用スケジュールを事前に確認しておくことが望ましいでしょう。

司法試験後の活動

司法試験が終了する7月から8月や合格発表後の11月から12月にも、説明会やインターンが再び行われます。このタイミングでは法科大学院修了生も参加するため、競争が激しくなる傾向があります。

 

予備試験合格者としては、早めにクラークに参加し、事務所との接点を持つことで有利に進めることができます。

自分に合った事務所を見つけるために

クラークや説明会は、事務所の雰囲気や業務内容を知るだけでなく、事務所側に自分の能力をアピールする絶好の機会です。早い段階で行動を開始し、継続的に情報収集を行うことで、希望する環境に近づけるでしょう。特に、法律事務所の公式サイトや求人情報をこまめにチェックすることが重要です。また、小規模事務所の場合は、自分から問い合わせを行う積極性も必要です。

 

予備試験合格者のフェーズによっても就職活動のやり方は異なる

予備試験合格後の就職活動は、法科大学院生(ロースクール生)・大学生、社会人というフェーズごとに進め方が異なります。

ロースクール生・大学生の場合

2023年以降、一定の条件を満たせば、ロースクール在学中に司法試験を受験することが可能になりました。これにより、ロースクール生は予備試験合格者同様、早い段階でクラークやインターンに参加できるようになっています。

【2025年4月から7月】サマークラークのエントリー・予備試験

80期修習生に該当する方のスケジュールは以下のように進みます。

 

4月にはロースクール生が入学し、7月には予備試験の短答式試験が行われます。

 

ロースクール生は入学後、大学生は予備試験を受験する年の4月から7月にかけて、サマークラークのエントリーを進めます。事務所の公式サイトでエントリーを済ませた後、エントリーシートの提出を求められる場合があります。その際は、自分の強みや志望動機を具体的かつ簡潔にまとめることが重要です。

【2025年8月から10月】サマークラークの実施

9月には予備試験の論文式試験が実施されます。

 

一方で、7月末からサマークラークの選考結果が出始め、8月には法律事務所での実務体験が開始されます。自分の能力や意欲をアピールする大切な場になるので、しっかりと準備をして全力で取り組みましょう。

 

サマークラーク終了後は、次の採用選考に向けて、事務所からのフィードバックを基にエントリーシートを改善することがポイントです。同時に、新たな事務所へのアプローチも検討しましょう。

【2025年11月から2026年3月】ウインタークラークの実施・予備試験合格発表

11月頃からウインタークラークのエントリーが始まり、1月から3月にかけて法律事務所での実務体験が実施されます。

 

同じく1月には予備試験の口述試験が行われ、2月にその合格発表があるので、効率的なスケジュール管理が求められます。

 

また、一部の事務所では、ウインタークラーク中に優秀な候補者へ早期内定を打診するケースもあります。この時期は、ウインタークラークを活用しながら、自分に合った事務所を見極め、進路を絞り込む重要なタイミングです。

【2026年7月】司法試験・事務所訪問・面接

7月に司法試験が実施され、その後、多くの法律事務所で本採用選考が本格化します。この時期には、クラークで評価された経験を活かし、個別訪問や面接に臨みましょう。

【2026年11月】司法試験合格発表・追加募集

11月には司法試験の合格発表が行われます。この時期、大手以外の法律事務所には選考を開始するところもあります。

 

また、大手法律事務所でも、諸事情により採用枠が空いた場合に追加募集を行うことがあるため、最新情報をこまめにチェックすることが重要です。

【2027年4月】司法修習開始

4月から司法修習が始まります。修習中は、事務所との関係を維持しながら、修習での学びを実務に活かす準備を進めましょう。修習期間中には、翌年の勤務開始に向けたフォローアップも行われます。

 

勤務開始前には、事務所の専門分野や案件に関する基本的な知識を復習しておきましょう。特に企業法務系事務所では、契約法や国際法務の知識が求められる場合があります。

【2028年4月】法律事務所での勤務開始

司法修習と二回試験を終え、いよいよ法律事務所での勤務がスタートします。

 

最初は慣れない業務に戸惑うこともあるかもしれませんが、一つひとつの業務を通じて自信を積み重ねていきましょう。焦らず、着実に成長することが大切です。

社会人の場合

社会人で予備試験に合格した方の多くは、本試験合格後に就職活動を始めるのが一般的です。ただし、短期間で予備試験に合格した場合には、ロースクール生や大学生と同様のタイミングで就職活動を進めることも可能です。

 

その際、前職での経験やスキルが選考の重要なポイントになるため、これらを効果的にアピールする準備が必要です。

 

また、クラークは平日に開催されることが多いため、現職のスケジュールと調整を図ることが非常に重要です。社会人ならではの時間管理が、就職活動を成功させる鍵となります。

予備試験合格者は情報収集が重要

予備試験合格者にとって最大の課題は、求人情報にアクセスしにくいことです。法科大学院生は大学院の就職課やゼミを通じて、クラークや求人に関する情報を得やすい環境にありますが、大学生や社会人はこのような支援を受けられる機会が限られています。

 

社会人は特に厳しい状況にあります。職場に司法試験の受験生がいることは稀であり、情報を共有し合える環境がほぼありません。加えて、仕事と受験勉強を両立させる必要があるため、限られた時間を活用して効率的に情報を集める工夫が不可欠です。

 

こうした状況に対応するためには、法律事務所の公式サイトや求人サイトをこまめにチェックし、積極的に情報収集を行うことが欠かせません。特に、小規模事務所や個人事務所では説明会を開催しないことが多いため、興味のある事務所に直接問い合わせて選考の機会を得る行動力を持ちましょう。

 

また、クラークや説明会に参加することで、事務所の雰囲気や業務内容を知るだけでなく、事務所に対して自分の意欲や能力をアピールする絶好のチャンスとなります。早めに行動し、入念に準備を進めることで、自分に合った事務所を見つけられる可能性が高くなります。

 

もし就職活動に行き詰まった場合は、専門のエージェントを活用するのも一つの方法です。

C&Rリーガル・エージェンシー社では、予備試験合格者を対象にした就職活動のサポートを提供しています。また、インターンやクラークに関する情報も掲載しています。

詳しくは以下のサイトをご覧ください。
https://www.bengoshitenshoku.jp/shushoku

 

中澤 泉(弁護士)

弁護士事務所にて債務整理、交通事故、離婚、相続といった幅広い分野の案件を担当した後、メーカーの法務部で企業法務の経験を積んでまいりました。 事務所勤務時にはウェブサイトの立ち上げにも従事し、現在は法律分野を中心にフリーランスのライター・編集者として活動しています。

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