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ロー卒生が弁護士にならずに就職する際のポイント

目次
  • ロー卒生の就職のポイントは「年齢」と「キャリアビジョン」

  • 司法試験に合格しないまま30歳手前になってしまった場合、試験は諦めた方が良い?

  • ロー卒生の就職先は、法律事務所より企業の法務部が人気?

  • こだわりを捨てて、面接でしっかりアピールする

  • ロー卒生が就職に成功した事例

いったんは弁護士を志して法科大学院を卒業しても、その後さまざまな事情で弁護士とは別の選択をされる方がおられます。
法科大学院を卒業して弁護士にならない場合、どのような点に注意して就職・転職活動を進めたら良いのでしょうか?
法務の専門エージェントに取材してきました!

ロー卒生の就職のポイントは「年齢」と「キャリアビジョン」

インタビュアー
法科大学院を卒業後、弁護士にならずに就職する際に重要なことは、ずばりどのようなことでしょうか?

エージェント
まず「年齢」が非常に重要です。確かに現在、企業の法務職は売り手市場で実務未経験の方も採用されやすい状況です。ただし将来的な伸びに期待しての採用となるため、多くの企業は「20代後半程度までの方」をターゲットにしています。30歳を超えると、とたんに未経験での就職が厳しくなってきます。

もう1つは「明確なキャリアビジョン」です。
司法試験をやめた方は、どうしても弁護士に思いを残してしまいがちです。「就職後も司法試験を受けていつかは弁護士になりたい」という方、「気乗りはしないけれど、仕方がないからとりあえず就職活動をする」方などもおられます。
しかし企業側の人事担当者は何十人、何百人という就職希望者をみてきた「スペシャリスト」です。希望者が司法試験に気持ちを残している場合、見透かされて面接で落とされる可能性が高くなってしまいます。
一般企業への就職を決めたなら「弁護士資格なしで法務のスペシャリストとしてキャリアアップしていく」という明確なキャリアビジョンをもって、強い姿勢で臨むと印象が良くなります。

社会人経験のある弁護士が転職でキャリアアップする秘訣とは

司法試験に合格しないまま30歳手前になってしまった場合、試験は諦めた方が良い?

インタビュアー
30歳になると就職が厳しくなるなら、司法試験に3、4回落ちて28歳や29歳となってしまった場合には、試験を諦めて就職活動に転向した方が良いのでしょうか?

エージェント
一概にそうとは言えません。もちろん4回目、5回目で司法試験に合格される方も数多くいらっしゃるからです。中には5回司法試験に落ちても再度ロースクールに行き直し、ようやく弁護士になられる方もおられます。そのような方は当然30歳を超えて弁護士になっておられます。

試験を続けるか諦めて就職活動するかは、ご本人がどれだけ合格に近い場所におられるか、及びご本人がどの程度弁護士という仕事にこだわっておられるかによって決まると考えています。どうしても弁護士になりたい方は、諦めて就職しても思いが残るのでなかなか仕事に打ち込めず、キャリアアップも難しくなります。また合格に近い方が諦めるのはもったいないと言えるでしょう。

ご自身で進路を迷われているなら、エージェントがご相談に乗ることも可能ですので、よかったらお気軽にご相談いただければと思います。

ロー卒生の就職先は、法律事務所より企業の法務部が人気?

インタビュアー
ロー卒生が就職先として選ぶのは、法律事務所、企業の法務部、あるいはその他の部署、どこが一番多いのでしょうか?

エージェント
多くは企業の法務部を選ばれます。法務部以外ではなかなか今まで学んだことを活かせませんし、法律事務所のパラリーガルではどうしても補助的な業務となるからです。
最近では大手企業のみならず中小企業も法務部員の採用に積極的な姿勢を見せているので、せっかく学んだことを活かして第一線で活躍したいという方にはぜひとも企業の法務部をお勧めします。

こだわりを捨てて、面接でしっかりアピールする

インタビュアー
30歳を超えて就職活動を開始される方も現実にはおられると思いますが、アドバイスはありますか?

エージェント
こだわりを捨てて「採用してくれるならどんな企業にも応募する」積極的な姿勢を持つことです。
また面接で気に入ってもらえたら即採用、という事例が少なくないため、コミュニケーション能力も大切です。面接で積極的にアピールできるよう、事前にしっかり対策しておくと良いと思います。

ロー卒生が就職に成功した事例

インタビュアー
これまでロー卒の方が一般企業への就職に成功した事例があれば、教えて下さい。

事例1
法科大学院を卒業後、法律事務所などに勤務しながら司法試験を受けましたが、5回不合格となり断念された女性の方です。すでに30歳を超えておられて就職にはかなり不利な状態でした。
企業規模や条件、勤務地を問わず10数社エントリーし、最終的に、国内屈指のコンサルファームの法務職に内定しました。条件も破格の好条件となり、ご本人も非常に満足されています。
採用の決め手となったのは持ち前のコミュニケーション力の高さと明確なキャリアビジョンをお持ちだった点です。面接で非常に良い印象を与えられたようです。

事例2
4回司法試験を挑戦した後ベンチャーエンターテイメント企業に就職、国内外の契約書業務に携わっていた方です。その後アミューズメント企業へ転職、アジアを中心として海外事業に関わりました。さらに高い英語力と海外経験を武器に大手電機メーカーグループ企業に転身、現在は法務マネージャーとして活躍されています。
この方はさらなるステップアップを目指して現在も精力的に転職先を探しておられます。

ロー卒で弁護士にならない場合、ご本人の気持ちの持ちようや努力の方向性によって人生が大きく変わってきます。いったん法務部に転向すると決めたなら、弁護士への思いはできるだけ残さず前向きなキャリアプランを検討し、就職活動に全力を注ぐのが成功の鍵となりそうですね。今後の参考にしてみてください!

インタビュアー

法律ライター 元弁護士

京都大学在学中に司法試験に合格、弁護士登録
勤務弁護士を経て法律事務所を設立、経営
現在は弁護士の実務経験を活かし、多数の法律メディア、法律事務所、弁護士などの法律関係者向けのメディアなどで執筆業をおこなう。

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