業界トピックス

弁護士を採用したい!求人企業によるインハウスローヤーの選び方

目次
  • 1.増え続けるインハウスローヤー

  • 2.司法修習期別インハウスローヤー数の推移

  • 3.インハウスローヤーを採用している企業数の推移

  • 4.インハウスローヤーの選び方

  • 5.インハウスローヤーを採用する際の注意点

  • 6.インハウスローヤーを採用したいなら

  • 記事提供ライター

  • サイト運営会社:株式会社C&Rリーガル・エージェンシー社

1.増え続けるインハウスローヤー

日本組織内弁護士協会の調査(※1)によると、インハウスローヤー(企業内弁護士)は、2001年9月には全国で66人しかいませんでしたが、2023年6月30日には3,184人へと50倍近くに増えています。同日時点での弁護士全体の数は44,858人であり、その7.1%が企業内でインハウスローヤーとして勤務している計算です。直近の推移を見ても、2019年6月2,418人、2020年6月2,629人、2021年6月2,820人、2022年6月2,965人と推移しており、毎年200人程度のインハウスローヤーが誕生しています。これからも増え続けるだろうインハウスローヤーの実像や、企業はどのようなインハウスローヤーを選ぶべきなのかを解説します。

2.司法修習期別インハウスローヤー数の推移

日本組織内弁護士協会が調査した司法修習期別のインハウスローヤー数(※2)を見てみると、20期台が1人、30期台が5人、40期台66人、50期台446人、60期台1995人、70期台649人と、60期台以降の若手弁護士が大部分を占めていることがわかります。

直近5年間の修習期台ごとの推移を見てみると、50期台は、2019年431人から2023年446人と、ほとんど変動がありません。60期台について細かく見ていくと、60期は2019年148人、2023年150人、61期は2019年188人、2023年201人と変動が小さいですが、62期は2019年183人が2023年212人に約16%増加しており、63期も2019年167人から2023年196人に約17%増加しています。2023年6月30日時点で62期は経験14年目ですから、法律事務所に勤務する弁護士がインハウスローヤーに転身する場合、弁護士経験15年程度までに決断することが多いと言えそうです。

特に、経験が浅い弁護士は、一旦法律事務所に勤務した後に、インハウスローヤーに転身するケースが多いこともわかります。74期のインハウスローヤーは、2022年には56人でしたが、2023年には90人に増加しています。73期のインハウスローヤー数も、登録初年度(73期の場合は2021年)から69、88、111人と推移、72期も、74、95、110、119、136人と推移しています。

インハウスローヤーには、若手が多く、一旦法律事務所に勤務してから経験15年目程度までに企業に転職する場合が多い、という特徴があることがわかりました。

3.インハウスローヤーを採用している企業数の推移

インハウスローヤーが激増している一方で、インハウスローヤーを採用している企業の数も増えています。日本組織内弁護士協会の調査(※3)によると、2001年9月時点では、インハウスローヤー採用企業数はわずか39社であったのに、2011年6月には326社、2021年6月には1,324社、2022年6月1,372社、2023年6月1,429社となっています。

同調査における企業毎の採用人数を見ると、上位数社は積極的に採用数を増やしていますが、各年で20位となった会社の採用人数を見ると、ここ5年間で13、13、13、14、14人と推移しており、ほとんど動きがありません。ここから、少なくない数の企業が、既に業務に必要なインハウスローヤーの確保を終えたとも評価できるように思えます。

インハウスローヤーの採用は一部企業だけの話ではなく、多くの企業がインハウスローヤーを必要とするようになったからインハウスローヤーの人数が増えていることが、数字から裏付けられました。

4.インハウスローヤーの選び方

企業にとって最適な人材とは、企業が求めるニーズを満たしてくれる人材です。あるニーズに対して優れたパフォーマンスを発揮するインハウスローヤーが、異なるニーズに対しても同様のパフォーマンスを発揮できるとは限りません。自社のニーズを把握して、それを満たしてくれる人材を選ぶべき、というのは、インハウスローヤーを採用する場合でも、他の職種の人材を採用する場合でも、変わりません。

企業によって、インハウスローヤーに求めるニーズは様々です。そして、弁護士も、司法試験に合格して弁護士資格を持つことは共通するものの、歩んできたキャリアや扱ってきた事件分野は様々です。そのため、どのような弁護士が自社のニーズに合うのかを、しっかりと検討する必要があります。

国際取引やM&Aなどの高度な専門性を必要とする案件に対応できる人材を求めるというのは、わかりやすいインハウスローヤーへのニーズでしょう。その場合、比較的大規模な法律事務所で、求める種類の案件を多数経験してきた弁護士を選ぶべき、ということになります。これから本格的な法務部を立ち上げたいならば、特定の分野に豊富な実績を持つ弁護士よりも、幅広く企業法務を扱ってきたオールラウンダーが適しています。上場を視野に入れている成長企業ならば、上場企業での勤務経験がある弁護士が適任でしょう。多くの訴訟を抱えてしまっているならば、訴訟経験が豊富な弁護士が頼りになります。既にある法務部の長期的な強化を目指すならば、若い弁護士のポテンシャルに期待して採用し、長期にわたって活躍してくれる戦力として社内育成することも手段です。

5.インハウスローヤーを採用する際の注意点

インハウスローヤーは、企業の従業員(会社員)であると同時に弁護士でもあります。インハウスローヤーを雇用する際の注意点や、よくある質問への回答については、『企業内弁護士(インハウスローヤー)を採用するメリットについて』にて取り上げていますので、ご参照ください。

6.インハウスローヤーを採用したいなら

ポテンシャルに期待する場合、インハウスローヤーを新卒採用することも手段でしょう。しかし、自社のニーズを満たしてくれる即戦力となることを期待する場合には、中途採用をすべきことになります。実際に、多くのインハウスローヤーは、法律事務所での経験を積んだ後に、企業に転身していることがわかりました。インハウスローヤーの人数は急増しているといっても、年間200人程度しか新たに市場に供給されません。自社のニーズを把握して、ニーズに適した弁護士を探して選び、弁護士ならではの採用時の注意点をクリアすることは、非常に困難な作業となります。そんなときは、転職エージェントをご活用ください。C&Rリーガル・エージェンシー社は、2007年の設立から弁護士の転職を支援し続けてきた弁護士転職のプロフェッショナル・エージェンシーです。数多くの弁護士をご紹介できるだけでなく、インハウスローヤーならではの採用時の注意点も熟知していますので、お任せください。

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記事提供ライター

弁護士
大学院で経営学を専攻した後、法科大学院を経て司法試験合格。勤務弁護士、国会議員秘書、インハウスを経て、現在は東京都内で独立開業。一般民事、刑事、労働から知財、M&Aまで幅広い事件の取り扱い経験がある。弁護士会の多重会務者でもある。

サイト運営会社:株式会社C&Rリーガル・エージェンシー社

弁護⼠、法務・知財領域に精通したプロフェッショナルエージェンシーです。長きに渡り蓄積した弁護士・法律事務所・企業の法務部門に関する情報や転職のノウハウを提供し、「弁護士や法務専門職を支える一生涯のパートナー」として共に歩んでまいります。
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【参照】

※1『日本組織内弁護士協会の調査』
※2『司法修習期別のインハウスローヤー数』
※3『日本組織内弁護士協会の調査』
 https://jila.jp/wp/wp-content/themes/jila/pdf/transition.pdf

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