業界トピックス
サマークラークに参加する意義とは?行き先の選び方と参加の心構え
- 目次
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1 サマークラークとは
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2 法律事務所が実施するインターンの種類
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3 サマークラークに応募するメリット、参加の心構え
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4 サマークラークに参加する方法
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5 まとめ
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ロースクールに在籍していたり、司法試験を受験していたりする方は「サマークラーク」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。今回はそのサマークラークの詳細をご紹介します。
1 サマークラークとは
サマークラーク(通称:サマクラ)は東京・大阪圏の法律事務所が主催する有償の夏期インターン制度のことをいいます。ロースクール在学生、予備試験合格者、司法試験受験者などを対象に実施されますが、ロースクール在学生のみを対象とするところもあります。
実施時期は、予備試験合格者や司法試験受験者を対象とする場合、司法試験終了後の6月以降、合格発表前の8月中までの期間で実施されることが多いです。一方、ロースクール生を対象とする場合は、ロースクールの夏休み期間中の7月末から9月半ばくらいまでの時期に実施される場合が一般的です。
実施期間は1週間のところが多く、1日あたり概ね1万円の日当が支給されます。
実施期間中に何を行うかは、各事務所がその時期にどのような案件を扱っているかに左右されるので一概には言えません。しかし、法律相談への同席、法令や判例のリサーチ等の作業は日常的に発生しますし、裁判案件を扱う法律事務所(大規模事務所の場合はリティゲーション・チーム)であれば、訴状や準備書面のドラフト作成、裁判所への同行・裁判傍聴などを行うことになるでしょう。
なお、上記は新型コロナウイルス感染拡大依然の内容であり、コロナ禍においては、実施の時期、期間、方法などが従来と異なる場合があります。
2 法律事務所が実施するインターンの種類
法律事務所が実施するインターンには、他に、スプリングクラーク、ウィンタークラークがあります。スプリングクラークは、毎年2月から3月頃に、主にロースクール在学生(最終学年進級予定者)を対象に実施されます。一方、ウィンタークラークは、毎年11月から翌年の2月頃にかけて、ロースクール在学生や司法試験予備試験合格者を対象に実施されます。ロースクール在学生の中には、サマークラークに行った事務所のウィンタークラークに再度参加する人もいるようですが、法律事務所によっては1人1回しか参加できない制度になっている場合もありますので、しっかり確認しておきましょう。また、概ね実施期間の2~3か月前に募集がかかることが多いため、見逃さないようにしておいてください。
もっとも、このようなインターン制度の中心に位置するのはあくまでもサマークラークですので、以下はサマークラークに焦点を当てて説明していきます。
3 サマークラークに応募するメリット、参加の心構え
サマークラークという制度は知っていても、自分には関係ないのではないか、参加することにどのような意義があるのだろうか、という疑問をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。
サマークラークを実施している法律事務所のほとんどは、サマークラークを「採用活動の一環」と位置付けています。サマークラーク参加者の中に優秀だと思う人がいれば、事務所のほうから積極的に勧誘する場合も少なくありませんので、就職先候補として考えている事務所のサマークラークには積極的に参加することをオススメします。その際、採用につなげるためには、ただ参加するだけでなく、事前にしっかり勉強し、サマークラーク期間中も能動的に参加して実力や意欲をアピールすることが重要です。また、参加直後にお世話になった弁護士の先生方にお礼メールを送ることはもちろん、年始の挨拶、ロースクール卒業の報告、司法試験受験・合格の報告などを通して、(迷惑にならない範囲の頻度で)定期的に連絡を取っておくことも有効です。
時には、就職希望先として考えていたものの、実際にサマークラークに参加してみたら、事務所の雰囲気や業務内容、働き方が想像と異なっていたという場合もあるかもしれません。しかし、実際に就職活動を開始する前に気づけただけでも参加した価値があるといえるでしょう。
一方、まだ法曹としての進路を決めていない場合や、弁護士志望ではあるが特に就職先の候補を絞っていない場合であっても、サマークラークに参加することには意義があります。それは、司法試験合格前に弁護士の仕事を体験できるということです。ロースクール生であれば、エクスターンシップ制度(無償ですが、長期休暇中に約2週間の期間で実施される選択性の授業の1つで、参加することによって単位認定されます)を利用して弁護士業務を経験することもできますが、五大法律事務所に代表されるような大規模事務所は通常エクスターンシップの募集はしませんし、ロースクールに進学せずに予備試験を受験する人にはエクスターンシップの機会はありませんので、やはりサマークラークは重要な機会といえます。
また、サマークラークに参加して実際に弁護士の業務に携わったという経験は、就職活動の際に志望動機を記載する段階での大きな強みとなります。経験に裏付けられた志望動機は、頭の中で弁護士業務をイメージしているだけの人よりも、具体性・迫真性をもったものになるに違いありません。検察官・裁判官を志望する場合も、サマークラーク中に刑事事件の相手方として出会った検察官の対応、ご自身が関わった事件を担当していた裁判官の訴訟指揮を思い出すことで、自分がなりたい検察官・裁判官像が見えてくる場合もあると考えられます。
4 サマークラークに参加する方法
サマークラークに参加するには、それぞれの法律事務所に個別に応募することになります。各法律事務所のホームページをチェックしたり、弁護士専門の就職情報サイトに登録して、そこから流れてくる情報を確認するなどして、応募時期を見逃すことのないようにしてください。また、複数の法律事務所のサマークラークに参加する方も少なくありませんが、応募の際は、実施期間の重複なども意識して、ダブルブッキングをしてしまわないように注意しましょう。
そして、当然ながら応募したとしても希望者が全員参加できるわけではなく、書類審査と面接によって参加の可否が判断される場合がほとんどです。上記の通り、法律事務所側は採用活動の一貫としてサマークラークを実施していますので、単なる志望動機だけでなく、所属大学・ロースクールのレベル、大学・ロースクールでの成績、予備試験の合格実績及び成績、コミュニケーション能力なども考慮して審査しています。五大法律事務所等の大規模法律事務所は、就職するのが難しいのと同様、サマークラークに参加することもそれほど簡単ではありませんので、早い段階から成績も意識しながら大学・ロースクール生活や予備試験に臨むとよいと思われます。
5 まとめ
サマークラークは、報酬をもらいながら弁護士業務を体験でき、能力を認められれば就職にもつながるという貴重な機会です。また、実際に弁護士業務を体験し、尊敬に値する実務家の先生方と交流することで、学習のモチベーションにもつながります。ロースクール入学後、予備試験合格後の目標のひとつとして、サマークラークへの参加を位置づけるとよいのではないでしょうか。
C&Rリーガル・エージェンシー社では、サマークラークについても情報提供を行っています。また、ロースクール生、司法修習生を対象としたキャリア相談も行っております。求人や説明会に関する情報提供から、履歴書の添削、面接対策までトータルサポートさせていただきますので、ぜひご活用ください。
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記事提供ライター
社会人経験後、法科大学院を経て司法試験合格(弁護士登録)。約7年の実務経験を経て、現在は子育て中心の生活をしながら、司法試験受験指導、法務翻訳、法律ライターなど、法的知識を活かして幅広く活動している。
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