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司法試験の合格順位と司法修習生の就職活動

目次
  • 1.はじめに

  • 2.法律事務所の規模と採用で重視すること

  • 3.合格順位以外による能力の示し方

  • 4.相性の良さの示し方

  • 5.プロの力に頼るべき

1.はじめに

就活をしている、あるいはこれからしようとしている大学生、法科大学院生、司法修習生にとって、司法試験の合格順位と就職活動の関係は気になるところでしょう。ここでは、両者の関係、特に合格順位が悪かった場合の補い方について、筆者の個人的な見解を紹介します。

2.法律事務所の規模と採用で重視すること

法律事務所が弁護士を採用する際に重視するのは能力と相性です。弁護士にとって能力が重要であることはもちろんですが、同じ法律事務所に所属する弁護士や事務員と人間関係を構築できることも重要です。これはコミュニケーション能力ともいえるのですが、特定の人物との人間関係を考えるならば、相性と呼ぶことがより適切でしょう。

2020年度の弁護士白書によると、弁護士の総数42,164人のうち3,346人が所属弁護士数101人以上の法律事務所に勤務しています。法律事務所に勤務しているのは弁護士だけではないので、この規模の法律事務所になると、会社組織らしい実態を備えるようになります。そうなると、相性の重要性は相対的に薄れ、能力がより重視されるようになります。

一方、同白書によると、弁護士のうち26,319人が所属弁護士数5人以下の法律事務所に勤務しています。この規模の法律事務所は、個人事業主の寄り合い所帯という色彩が強く、相性がとても重要になります。

3.合格順位以外による能力の示し方

現在は、ほぼすべての法律事務所に応募する際に、司法試験の合格順位の提出が要求されます。法律事務所によって能力をより重視するか、相性をより重視するかが分かれるところ、合格順位を要求する理由も2つに分かれます。

能力をより重視する場合に合格順位の提示を要求する理由は単純です。順位を通じて能力を見ています。かつての旧司法試験では20,000人近くの受験者の中からわずか500人の合格者が選抜されていました。旧司法試験末期にも50,000人の受験者から1,500人の合格者が選ばれました。今は4,000人に満たない受験者から1500人が合格者となります。今の受験者は法科大学院入学時に選抜を受けていますが、定員割れを起こしている法科大学院も目立ちます。そうなると、過去の司法試験合格者と同等の能力を期待するためには300番以内の合格であるとか悪くとも上半分でなければという条件を課すことには合理性があります。

合格順位を通じて能力が問われていることがわかれば、合格順位が悪かった場合に何をもって補えば良いのかも見えてきます。一発試験では能力があっても失敗してしまうことがあります。それは採用する側もわかっていることです。つまり、合格順位は悪いが能力はあるということを示せれば挽回は可能です。

能力があることを示す一番の方法は予備試験の合格です。予備試験の合格率は4%程度で推移しているので、旧司法試験の2.5%から3%と比べても大きく見劣りしないと評価されます。これがわかっている受験生は、法科大学院入学前はもちろん、法科大学院最終学年になっても予備試験を受験します。ここで予備試験に合格しても司法試験の受験年度は変わらないのですが、予備試験に合格しておけば就職が有利になることを知っているのです。

他の能力を示す方法は、上位と呼ばれる法科大学院で良い成績を残すことです。法科大学院入学時に選抜を受けているし、その中でも真面目な学習態度で力を培ったと示すことができれば、合格順位が悪くとも能力に期待できます。英語力を必要とする法律事務所では、TOEICの点数がよければ、合格順位を補うことも可能です。出身高校や大学の偏差値の高さも、地頭の良さを示す材料になるでしょう。

いかにも能力を重視しそうな大規模事務所ほど司法試験の合格発表前に内定を出しています。合格発表前には合格順位を見ることはできませんから、問われているのは能力であり、合格順位はそれを示すための手段の中の一つに過ぎないことがよくわかります。

司法試験の合格順位が悪い場合、面接まで進むことができても、自分なりの敗因分析ができているか問われることがあります。敗因分析の鋭さも能力を示す一材料となるので、失敗を放置しない姿勢も重要です。

4.相性の良さの示し方

相性をより重視する法律事務所が合格順位の提出を要求する理由は、消極的なものです。求人を出すと応募が殺到するものの、応募者全員と面接をすることはできないため、客観的な書類選考基準として合格順位を採用しているに過ぎません。合格順位は司法修習生全員が持っている客観的な指標なので、書類選考基準としてとても使いやすいのです。また、その他の要素に対する評価が同等ならば、より能力が高い司法修習生を採用したいと考えることは当たり前です。それでも、相性を重視する法律事務所では、合格順位が悪くとも、自己PRにおいて、応募先の法律事務所との相性の良さを示せば、書類選考を通過できる可能性があります。

相性の良し悪しは、狙って作り出せるものではありません。成功体験を求めている法律事務所に対しては、部活動での実績や趣味を評価された経験を示す必要があります。失敗にめげない、打たれ強さを訴えても響きません。逆に、弱者に共感できる優しさを求められているのに、過去の成功体験を訴えても無意味です。この場合には、ボランティア活動歴や、過去の辛い経験が弁護士を目指す原動力となったことなどを示すべきでしょう。一見理不尽に思える指示にも愚直に従ってくれる忠誠心やストレス耐性が評価されることもあります。このタイプの法律事務所には、部活でしごきに耐えてきました、サラリーマン時代に毎日残業してきたので体力には自信があります、 という自己PRが響くでしょう。

自己PRが奏功して面接まで進むことができれば、いよいよ本当に相性が良いかを試されます。採用する側も、どうすれば自分たちと相性が良い司法修習生を選べるか工夫しています。人間の本性は酒に酔ったときにあらわれると考えて、面接後に酒の席に連れ出して、酔い方を見てから採否を決める弁護士もいます。自分の趣味を語らせて、面白おかしくプレゼンテーションできるかどうかで求めている営業力の素養を見極める弁護士もいます。事務員も含めた法律事務所全員の食事会に招き、全員の第一印象で決を取ることもあるそうです。応募した事務所から食事に誘われた、趣味の話で盛り上がった、全員との顔合わせも済ませた、だから内定は確実だと思うのは早計です。

自分と相性の良い法律事務所を探す場合には、腹を括って、相性の良い事務所に行き当たるまでひたすら応募を続けることが重要であるようにも思えます。

5.プロの力に頼るべき

司法試験の合格順位が悪いと、能力が高くても、あるいは、応募先の法律事務所と本当は相性が良くても、書類選考を通過することすら困難になります。そんなときは、プロである就職/転職エージェントの力に頼るべきです。C&Rリーガル・エージェンシー社は、弁護士業界に特化した就職/転職エージェントとして15年の歴史を持ち、それぞれの法律事務所が何を求めているのかを熟知しています。どうすれば応募先に能力を高く評価してもらえるか、どうすれば相性が良いと感じさせる自己PRになるか、書類選考を通過した後にも、どうすれば応募先に響く面接ができるか、心強いサポートをしてくれるでしょう。

記事提供ライター

弁護士
大学院で経営学を専攻した後、法科大学院を経て司法試験合格。勤務弁護士、国会議員秘書、インハウスを経て、現在は東京都内で独立開業。一般民事、刑事、労働から知財、M&Aまで幅広い事件の取り扱い経験がある。弁護士会の多重会務者でもある。

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