業界トピックス

「弁護士の年収はいくら?開業独立と勤務弁護士の給与や収入を比較!」

目次
  • 1.弁護士の平均年収はいくらくらい?

  • 2.開業独立弁護士と勤務弁護士を給与や年収で比較すると?

  • 3.弁護士に向いている人はどんな人?

  • 4.弁護士に向いていない人はどんな人?

  • まとめ

  • サイト運営会社:株式会社C&Rリーガル・エージェンシー社

これから弁護士を目指している方、修習生の方、すでに弁護士として稼働している方など、みなさん「弁護士の収入」が気になるのではないでしょうか?かつて弁護士といえば高給取りの代表格でしたが、司法制度改革によって収入が下がってしまった印象もあります。

実際に弁護士はどのくらいの収入を得ているものなのでしょうか?
今回は、弁護士の年収がどのくらいなのか、経験年数や勤務弁護士の給与と開業している弁護士の所得の比較をしてみましょう。

1.弁護士の平均年収はいくらくらい?

収入を知りたいとき、よく「平均年収」を参照します。弁護士の平均年収には、勤務弁護士の「給与」と個人事件からの収入(所得)、開業弁護士の収入(所得)がすべて含まれます。
以下で、各種のデータにより、弁護士の平均年収を明らかにしてみました。

1-1.日弁連・法務省・最高裁によるアンケートからみる弁護士の平均年収
2013年から2015年にかけて日弁連と法務省、最高裁が共同で行った調査において、弁護士の収入額と所得額が明らかにされています。
収入とは「売上げ全体の金額」、所得とは「売上げから必要経費などを除いた金額」です。所得の金額から、税金などを払うので、実際の手取り金額は所得金額より下がります。

上記アンケート調査によると、2015年における弁護士の収入と所得の額は以下のようになっています。

経験年数  収入   所得
1年目  543万円  317万円
2年目  654万円  391万円
3年目  831万円  444万円
4年目  946万円  472万円
5年目  1,108万円  582万円
6年目  1,226万円  614万円
7年目  1,303万円  624万円
8年目  1,472万円  721万円
9年目  1,605万円  732万円
10年目 1,796万円  739万円
11年目 1,926万円  816万円
12年目 2,076万円  884万円
13年目 1,986万円  832万円
※引用(注1)

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このデータからすると、弁護士登録後12年目までは収入も所得も上がり続けていますから、当然年収も上がっていることがわかります。
13年目になると12年目より収入も所得も少し減少しているところをみると、今の弁護士の平均年収は、10~15年目程度で800~900万円程度(収入は2,000万円)くらいとなり、そのあたりで頭打ちになっている可能性があります。
ただしこれはあくまで「平均値」であり、個々の弁護士によって大きな差があります。
また、このアンケート調査に回答したのは全弁護士の3~4割程度であり、すべての弁護士の収入を反映したものではありません。

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1-2.職業別年収ランキング調査の結果
厚労省や国税庁の発表している職種別給与などのデータを参照し、独自の年収調査を行っている「平均年収.jp」というサイトによる調査結果もあります。それによると、2017年における弁護士の平均年収は1,029万円で、職業別ランキングとしては5位となっています。
弁護士を上回る年収の職業としては、医師、パイロット、大学教授、公認会計士があり、いずれも1,000万円を超えています。

1-3.地方別の弁護士年収比較
弁護士の収入は、地方によっても大きく異なります。以下では。各地方における法律事務所の募集条件を参考に、給与の一例をご紹介します。
●東京の大手弁護士事務所 給与年額1,200~1,500万円程度
●大阪の大手弁護士事務所 給与年額600~1,000万円程度
●札幌の中堅の弁護士事務所 給与年額600万~900万円程度
●福岡の個人弁護士事務所 500~700万円程度

給与だけでみると、都会の大手事務所の弁護士が高額です。ただし地方の個人弁護士事務所などの場合、給与は少なくても個人事件を多く取扱い、申告所得は高額になっている弁護士の事例があります。
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2.開業独立弁護士と勤務弁護士を給与や年収で比較すると?

弁護士にとって、「独立開業するか」「他人の弁護士事務所に勤務し続けるか」は重要な選択肢です。
開業弁護士と勤務弁護士とでは、給与や収入、所得にどの程度の差があるのでしょうか?

2-1.開業弁護士の年収
開業弁護士の場合、年収は売上げ(収入)から必要経費を引いた所得のみです。個人によって大幅に差がありますが、だいたい1,000~1,500万円程度が平均的な値となるでしょう。
ただし、弁護士の中には300万円以下の人もいますし1億円を超える人もいます。また1日のほとんどを仕事に費やし、休日はほとんどとらない「セルフブラック」の開業弁護士も多く、労働時間が異常に長くなっている傾向があります。こういった事情をみると、所得の平均値だけにこだわっても実情ははかりにくいといえます。
所得額だけではなく、仕事への満足度や全体のワークライフバランス、ストレスのかかり方など総合的に判断して、自分にとっての適切な収入を判断することが重要です。

2-2.勤務弁護士の年収
勤務弁護士の場合、地方か都会か、また大手か中堅か個人の弁護士事務所かで大きく給与が異なります。また勤務弁護士であっても個人事件をやればその分収入が上がるので年収(所得)もアップします。
これを前提にだいたいの概算を紹介します。

【東京の大手弁護士事務所の場合】
東京の大手の弁護士事務所の場合、給与額が非常に高額です。初年度から1,000万円を超えますし、年数を重ねればどんどん上がります。パートナーとなる頃には年収3,000万円は超えているのではないかと考えられます。

【中堅やそれ以下の弁護士事務所の場合】
大手以外の東京の弁護士事務所の場合、給与額は事務所によってさまざまです。中堅弁護士事務所で初年度から700~800万円以上出るところもあれば、300万円で弁護士を雇おうとする事務所もあります。

【東京以外の都会の事務所の場合】
東京以外の都会の事務所では、大手か中堅、個人かで多少給与額が異なるケースがあります。渉外系の事務所は給与額が高くなります。その他の事務所はあまり変わりがありません。
だいたい500~700万円程度で始まるところが多いでしょう。ただし300万円などで弁護士を雇おうとする事務所もあります。

【個人事件が多い勤務弁護士】
勤務弁護士でも、個人事件を大量にこなしている場合には給与額以上の収入を得ている人がいます。勤務弁護士の場合、どの程度事務所に個人事件の売上げを入れなければならないか、経費の負担割合が重要です。3割なら収入から3割減となりますし、4割なら4割減です。
このような違いにもよりますが、個人事件が多い勤務弁護士は、独立開業している弁護士や東京の大手事務所の弁護士より稼いでいる例もあります。

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3.弁護士に向いている人はどんな人?

以上をふまえて弁護士に向いているのはどのような人なのでしょうか?
それは、「自ら積極的に道を切り開いていく」タイプの人です。弁護士が人から言われたことだけやっていては、依頼者の抱える困難な問題を解決できません。営業も成功しないでしょう。勤務弁護士の場合でも、積極的な働きと創意工夫ができないと評価してもらえず、給料も上がりません。
あとは人の気持ちに立って考えられる人、人とコミュニケーションをとるのが苦痛でない人、論理的な思考ができる人などが弁護士に向いています。

4.弁護士に向いていない人はどんな人?

それでは弁護士に向いていないのはどういう人でしょうか?
それは、常に受動的な人です。弁護士は引き受けた事件は自力で解決しなければなりませんし、依頼者をガードして自分が矢面に立って戦わねばならない仕事です。依頼者を適切な方向に導いていく役割も果たします。常に受動的で人から言われたことしかできなければ、弁護士はつとまりません。
また人とのコミュニケーションを取れないと話になりませんし、書面や文書の作成が苦手な方にも向きません。意外と体力仕事なので、体力に自信がない方にも弁護士はお勧めできません。
ただ近年では、法律事務所の働き方も多様化しています。自分に合った法律事務所を見つけることができれば、より活躍の幅が広がる可能性は十分に考えられます。

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まとめ

以上、弁護士の年収(給与や所得額)を様々な角度から比較してみました。弁護士の皆さまやこれから弁護士を目指される方、弁護士になろうか迷われている方は、是非とも参考にしてみてください。

記事提供ライター

記事提供:法律ライター 元弁護士

京都大学在学中に司法試験に合格、弁護士登録
勤務弁護士を経て法律事務所を設立、経営
現在は弁護士の実務経験を活かし、多数の法律メディア、法律事務所、弁護士などの法律関係者向けのメディアなどで執筆業を行う。


※引用(注1):法曹の収入・所得,奨学金等調査の集計結果(平成28年7月)

サイト運営会社:株式会社C&Rリーガル・エージェンシー社

弁護⼠、法務・知財領域に精通したプロフェッショナルエージェンシーです。長きに渡り蓄積した弁護士・法律事務所・企業の法務部門に関する情報や転職のノウハウを提供し、「弁護士や法務専門職を支える一生涯のパートナー」として共に歩んでまいります。
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