法律事務所の勤務弁護士を目指す際の志望動機・転職理由の記載ポイント|弁護士や法務の転職・求人情報なら「弁護士転職.jp」

転職ノウハウ

法律事務所の勤務弁護士を目指す際の志望動機・転職理由の記載ポイント

目次
  • 1 法律事務所の志望動機のポイント

  • 2 法律事務所での志望動機例

  • 3 志望動機の失敗例

  • 4 法律事務所の転職理由(退職理由)を答えるときのポイント

  • 5 法律事務所の転職理由(退職理由)の例

  • 6 法律事務所の転職理由(退職理由)の失敗例

  • 7 まとめ

 弁護士の転職希望先として最も多いのは、やはり「法律事務所」です。志望動機や転職理由(退職理由)の書き方については、法律事務所に応募する場合と企業・自治体などに応募する場合で共通する点も多いですが、法律事務所の場合に特に注意すべき点もあります。
 今回は法律事務所への就職・転職を希望する場合に絞って、志望動機や転職理由(退職理由)を書くにあたってのポイントをまとめました。ありがちな失敗例にも言及していますので、参考にしてください。

1 法律事務所の志望動機のポイント

まず大切なのは、どんな就職活動の場合でも同じだと思いますが、志望する法律事務所の運営方針を理解することです。例えば、刑事弁護分野でトップを目指したいという経営方針の法律事務所で「知的財産分野を開拓して事務所に貢献したいです!」といっても採用される可能性は低いでしょう。これは極端な例に思われるかもしれませんが、実際に採用活動をしていると、法律事務所の取扱分野や経営方針とはちぐはぐな志望動機を述べる方は少なくありません。何も情報がない場合は仕方がありませんが、ホームページを読んでわかる程度の情報はきちんと調べておくことが大切です。
 そして、弁護士は雑誌や大学の紀要などで記事や論文を執筆していることが意外と多いです。代表弁護士を含め、その法律事務所の所属弁護士が書いている雑誌記事、論文などは、一部で構わないので事前に読んでおくとよいです。「ここで働きたいです!」といいながら、所属弁護士の情報を何も知らない、調べていないというのでは説得力がありませんし、「〇〇先生のこの記事を読んでこう思いました」と言えれば、面接時に会話が盛り上がるのも事実です。ただし、実際にその記事の話になったときに「実は大して読んでいないな」と思われてしまうと逆効果です。「読みました」というからには、その内容について多少のディスカッションができるくらいにはしっかり読み込んでおきましょう。
 法律事務所は、特に大都市では数えきれないほどあります。「似たような法律事務所がいくつもある中で、なぜうちの事務所に入りたいのか」と聞かれて言葉に詰まることのないよう、志望先の法律事務所についてはわかる範囲でしっかりと下調べをし、その法律事務所の理念・方向性を踏まえた上で、志望動機や、事務所にどう貢献できるかというところを具体的に示すことが大切です。
 経験弁護士の転職の場合であれば、志望する法律事務所の運営方針と重ね合わせる形でこれまでの実績とキャリアプランを説明できる様にまとめておくとよいです。司法修習生や登録数年未満での転職の場合は、現時点での能力、関心分野や今後のビジョンを具体化し、自分の成長と法律事務所の成長のためにどう頑張っていきたいかを語れるようにしておきましょう。
 採用して欲しいからといって、「なんでもやります!」といえば言い訳ではありません。想定業務の中で自分のできること、できないことをまとめ、できないことはどうキャッチアップするのかまでイメージしておけるといいですね。

2 法律事務所での志望動機例

 はじめて弁護士を目指した頃、「法律という専門分野を持ち社会に貢献したい」「クライアントの抱えるトラブルを解決し、クライアントを笑顔にしたい」「社会正義の実現に寄与したい」といった想いをお持ちだった方は多いと思います。
 確かに弁護士として、そういった「根っこの正義感」はとても大切です。しかし、仕事として行う以上、お金を稼いで経営を成り立たせるという現実的な側面も忘れることはできません。法律事務所の志望動機として問われているのは、なぜ弁護士になりたいかという根本的なところにとどまらず、より具体的にどんな弁護士を目指していくのか(どの分野に興味があるのかなど)、事務所の一員としてどう事務所に貢献してくれるのかという点です。
 経験弁護士の転職の場合の志望動機例としては、「過去に〇〇の分野を多く手掛けてきており、(〇〇分野の中で)××という困難な事案も経験した。このため、〇〇の分野では即戦力になることができると考えている。一方、貴事務所で扱っている△△の分野については、業務経験はないが□□という理由で興味があり、●●という方法でキャッチアップしていくつもりである。自分の弁護士としての強みは▲▲という点であり、将来は~~な弁護士としてキャリアを積み、パートナー弁護士として事務所経営も支えていけるようになりたい」など、ご自身の経験と事務所の方針の双方を関連させながら説明できるとよいでしょう。
 修習生や登録数年未満での転職の場合は、「学生時代から〇〇分野に関心があり、~~という学習をしてきた。修習中/現在の法律事務所でも、〇〇分野について△△という形で研鑽を積んできている。貴事務所は〇〇の分野を多く扱っているので、その分野で多くの事件を経験したい。特に、△△先生の・・・という論考を拝見し、××の点に関心を持っているので、△△先生の所属されている貴事務所での就職を希望している。また、貴事務所の□□という理念に共感しており、私の●●という性格/特技を活かして、その理念を実現していきたい」などの内容を、具体的なエピソードで裏付けながら説明できるとよいと思われます。
また、その法律事務所に所属している弁護士が著名な事件に携わっている場合には、「〇〇先生が担当された□□事件のことを知り、△△の分野に関心を持つようになりました」というような導入の仕方も良いでしょう。判例に関心を持つことは弁護士の基本ですので、この書き方をすることで、日頃から著名事件や最新判例にアンテナを張っていることをアピールすることもできます。

3 志望動機の失敗例

これまで述べてきたことともかかわりますが、応募先についてのリサーチが足りず、抽象的な志望動機になってしまう人が多いです。「他の法律事務所に応募する際にも使い回しているんだろうな」と思われてしまうような志望動機はNGです。
 「志望動機はラブレターである」という表現がされることがありますが、まさに好きな異性を口説くイメージで、他のどの法律事務所でもなくその法律事務所に入りたいのだという熱い気持ちをしっかり届けること、そして、その法律事務所にとってご自身が必要な人材であることを説得的にプレゼンテーションすることが大切です。ご自身が描く将来のキャリアイメージが応募先の法律事務所の経営方針や展望にマッチすることも重要になります。
 なお、未経験分野に関して「学びたい」という表現を使う人が多いですが、使い方には注意が必要です。就職先はあくまでも仕事の場です。「学びたい」という姿勢はもちろん必要ですが、学校ではないので「教えてください」という受け身の姿勢では不十分です。特に小規模法律事務所においては、企業のように研修制度が整っておらず、「現場で学べ」「周りを見て技術を盗め」というやり方をしているところも少なくありません。それぞれに未経験の分野があることは当然ですので、「この分野で貢献しつつ、未経験の分野についてはこういったやり方で頑張っていきたい」という能動的な姿勢を示す書き方にしてください。

4 法律事務所の転職理由(退職理由)を答えるときのポイント

 転職の場合には、なぜ今所属している法律事務所を退職したいのかを聞かれることも多いです。特に、就職してからの期間が短い場合、採用側も「うちの法律事務所に入ってもまたすぐ辞めてしまうのでは」との懸念を抱きますので、転職理由は必ず聞かれると思って準備をしておくとよいです。
 転職理由が真にご自身のキャリアアップのためというのであれば、その通りに説明していただければ問題ありません。工夫が必要なのは、特に対人関係面や待遇に関するネガティブな理由がある場合です。嘘の理由を作るべきではないというのはもちろんですが、きっかけはネガティブな出来事であっても、ポジティブな観点からの表現にできないかを考えてみましょう。
 例えば、「〇〇の業務はまだ早いと言われてやらせてもらえなかった」ということに不満があったのであれば、「未経験者からでも少しずつ〇〇の業務に携わることのできる風土の事務所を探して転職を決意しました」と言い換えるなどの工夫が考えられます。「~ができないから転職したい」ではなく「より~ができる環境に身を置いて研鑽を重ねたいから転職したい」という前向きな言い方を使うことを心掛けてください。キャリアプランや働く目的との一般性を持たせるという点を意識して、表現を工夫してみるとよいです。
 また、対人関係トラブルについてを転職理由にすること自体を避けてください。小規模事務所では人間関係が緊密になりますし、大規模事務所では多くの人が働いている分、気が合わない人がいる確率も高まります。そうした中で、「嫌な人がいたら辞めてしまうのではないか」と思われることは得策ではありません。たとえ明確なハラスメントの場合であったとしても、応募書類や短時間の面接において、実際にあったことを正確に理解してもらうことは難しいと思われます(し、それを正確に理解してもらうことが目的なわけでもありません)ので、やはり転職理由としないほうが無難です。
 なお、狭い弁護士業界においては厳しい発言をすることで有名な弁護士がいるのも事実です。そうした弁護士がいる法律事務所に所属している場合、面接や、面接後の懇親会などの場で、「〇〇先生の事務所なんですね。大変だったでしょう?」のように、ネタとして話題を振られることもあり得ます。しかし、そこでつい「そうなんです。実はこんなことがありまして…」と話に乗ってしまわないように注意してください。その話題を振った時点で面接官に他意はなかったとしても、後になってから「この人は事務所のネガティブなエピソードを他所でこうやって軽い感じで話してしまうんだな」と思われる可能性があり、決して良い印象にはつながりません。

5 法律事務所の転職理由(退職理由)の例

 転職理由(退職理由)として最も多いのは、上記の「業務への不満」や「人間関係上の問題」です。
 次いでで多いものとしては、「給与面での不満」が挙げられます。特に、労働時間が長いのに給与が低いという点に不満をも持たれている方は少なくないかもしれません。ただ、給与の話をする際には、ご自身の実績を客観視して、給与の話題を出すことが適切かどうかを改めて考えてみて欲しいです。働く側(特に経営に携わったことのない若手)は「いくら欲しい」という視点で考えがちですが、経営者側は「その人の働きの対価としていくらが妥当か」という点をシビアに見ています。「実績が伴わないのに高額の給与を欲しがる人」と評価されないためにも、給与を転職理由(退職理由)にするのであれば、希望年収相応の働きができることの根拠までしっかりと説明できるよう準備をしておきましょう。
次に、「ボスの事件処理方針に不満」というケースも多くみられます。所属から2~3年経ち、法律事務所にも業務にも慣れてきた頃に抱きやすい不満です。しかしこの点も転職理由(退職理由)にすることは避けたほうがよいでしょう。事件の進め方に唯一の正解があるわけではなく、弁護士同士で方針が食い違うことは稀ではありませんし、実際にその法律事務所のボス弁の方針が正しいかどうかは外部の人間が短時間で判断できることではありません。そういった点への不満を口にしても「柔軟性がない」と思われるだけという可能性があります。明らかな不正行為を指示された場合はともかく、ボス弁の方針への不満を転職理由(退職理由)にすることには慎重になったほうがよいです。

6 法律事務所の転職理由(退職理由)の失敗例

 失敗例に共通するのは、転職理由(退職理由)を「他人のせい」として説明してしまっているということです。「ボス弁からひどい扱いを受けた」「この業務をやらせて欲しかったのに全然やらせてもらえなかった」「入所前に聞いていた話と違った」「妥当な給与をもらえていない」などという理由は、すべて「他人のせい」としての説明です。実際には「他人のせい」という要素があったとしても、ご自身にも反省点や工夫すべき点があったのではないか、その経験を踏まえて今後は何を意識していきたいかを検討し、よりポジティブな形でまとめられないか考えてみましょう。
また、新たな業務分野を開拓するために転職を目指している場合に、「今の職場で〇〇についてはやりきった」という表現を使う方がいます。しかし、この表現は慢心を表す表現と受け取られかねませんので、使わないほうが無難です。同じ類型の事件だったとしても、その内容はひとつひとつ異なりますし、最新判例や改正法も常に意識して研鑽を重ねることが必要ですので、少なくとも登録10年程度の弁護士が簡単に「やり切った」とはいえないはずです。新たな業務開拓の熱意を表すのであれば、ご自身のキャリアビジョンとこれまでの実際の業務経験、そして応募先でのキャリアビジョンを照らし合わせ、将来的な視点で転職の必要性を説明することが望ましいです。これまで手掛けてきた分野については、あくまでも「多数の案件を経験してきたため、即戦力になることができる」という方向でアピールするようにしてください。

7 まとめ

C&Rリーガル・エージェンシー社は、法律事務所の求人を多数サポートしてきた実績があります。志望動機や転職理由(退職理由)についての成功例・失敗例も多数保有していますので、それらをもとに履歴書・職務経歴書作成のアドバイスや面接対策を実施しています。「こんな理由でいいのだろうか」「ここをもう少しうまく表現したいがどうすればいいのだろうか」というようなお悩みがあれば、ぜひ弊社をご利用いただき、担当エージェントにお気軽にご相談ください。

記事提供ライター

社会人経験後、法科大学院を経て司法試験合格(弁護士登録)。約7年の実務経験を経て、現在は子育て中心の生活をしながら、司法試験受験指導、法務翻訳、法律ライターなど、法的知識を活かして幅広く活動している。

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