弁護士が転職するための手続きは?ケース別に必要な手続きと流れを解説|弁護士や法務の転職・求人情報なら「弁護士転職.jp」

転職ノウハウ

弁護士が転職するための手続きは?ケース別に必要な手続きと流れを解説

目次
  • 1.法律事務所から別の法律事務所に転職する際の手続き

  • 2.法律事務所から一般企業の企業内弁護士に転職する際の手続き

  • 3.法律事務所から一般企業の法務部に転職する際の手続き

  • 4.弁護士が法律事務所を辞めるときの流れ

  • 5.まとめ

弁護士が転職する場合、転職先の法律事務所や企業が手取り足取りサポートしてくれることはありません。一般的には、自分で必要な手続きを調べて、自己責任で手続きを済ませます。

それでは、転職の手続きを滞りなく済ませるためには、どのような手順で手続きを進めたら良いのでしょうか?今回の記事では、転職のケース別に必要となる手続きの種類を説明します。

1.法律事務所から別の法律事務所に転職する際の手続き

法律事務所から法律事務所に転職する場合には、どのような手続きが必要になるのでしょうか?

①弁護士会の手続き

最も重要な手続きは、弁護士会に変更届を提出することです。転職先の弁護士会が現在の所属弁護士会と同じであれば、手続きは比較的スムーズに進みます。

一方で、異なる弁護士会に登録替えをする場合は、手続きに時間がかかります。例えば、転職先の法律事務所が、現在の勤務先とは異なる都道府県に所在する場合には、登録替えの手続きが必要となります。

それでは、登録替えの手続きにはどれくらい時間がかかるのでしょうか?具体例として、東京弁護士会に登録替えをする場合を見てみましょう。東京弁護士会が公式に発表しているスケジュールによると、2021年3月31日までに必要書類を提出した場合、入会予定日は同年5月14日となります。

【東京弁護士会】登録替え入会のスケジュール

つまり、登録替えが完了するまでに2ヶ月ほどかかります。必要書類を揃える期間を含めると、3ヶ月ほどかかると考えておきましょう。登録替えにかかる期間は各弁護士会によって異なりますので、転職が決まったらご自身で弁護士会に確認しましょう。

登録替えに必要となる書類は弁護士会によって異なりますが、東京弁護士会に登録替えをする場合には、身分証明書、戸籍謄本(戸籍抄本や戸籍事項証明書も可)、写真2葉、入会申込書などが必要です。

【東京弁護士会】登録替え入会の必要書類

なお、転職先の事務所によっては、「弁護士会の手続きが完了するまでは、勤務開始を認めない」ということがあります。このため、入所するまでにブランクが生じる場合もあります。ブランクを避けるためには、転職が決まったらまず真っ先に、転職先に「登録手続きが完了するまでは勤務開始できないのか、それとも現在の登録状況のままでも勤務開始できるのか」を確認しましょう。もしも「手続きの完了が必須である」という回答であった場合は、急いで登録替えの手続きを始めましょう。

②法テラス、弁護士協同組合、弁護士国保の手続き

法テラスに登録している場合は、事務所変更の届出が必要です。法テラスについては、転職先の法律事務所の事務員さんが手続きを行ってくれることもありますが、通常は弁護士が自分で手続きを行います。

弁護士国保(弁護士国民健康保険組合)や弁護士協同組合に加入している場合は、それぞれに変更届を提出することが必要です。こちらの手続きは転職先の事務所が行ってくれることはありませんので、必ずご自身で行いましょう。

③身分証明書の変更

弁護士会が発行する身分証明書を持っている場合は、事務所変更の手続きが必要です。所属弁護士会が変わらない場合であって、所属事務所が変わる際には変更届を出さなければいけませんので、忘れないように気をつけましょう。

④その他の加入団体の手続き

弁理士会や司法書士会、税理士会に加入している場合は、それぞれの団体での手続きが必要となります。また、弁護士会の委員会や法律グループに所属している場合は、それぞれのグループごとに手続きが必要となることがありますので、念のため確認しておきましょう。

2.法律事務所から一般企業の企業内弁護士に転職する際の手続き

法律事務所から一般企業の企業内弁護士(インハウスロイヤー)に転職する場合、基本的には、「1.法律事務所から法律事務所に転職する場合」と同じ手続きとなります。つまり、①弁護士会の手続き、②法テラス・弁護士国保・弁護士協同組合の手続き、③身分証明書の変更、④その他の加入団体の手続きが必要です。

なお、企業に転職する場合は、企業が弁護士会費を負担してくれることがありますので、あらかじめ会費負担について転職先に確認しましょう。日本弁護士会連合の統計によると、およそ8割の企業が弁護士会費を負担しています。弁護士会費の支払方法は、弁護士会から会社宛に請求する方法や、会費分を給与に上乗せしてもらって自分で弁護士会に支払う方法など、企業によって様々です。前者の場合は、弁護士会費の引き落とし口座の変更手続きが必要となるので、忘れないように気をつけましょう。

また、弁護士会の登録変更について柔軟に対処してもらえる可能性があります。入社日までに登録変更が間に合わなくても、そのまま入社を受け入れてくれる企業もあります。もちろん、入社日までに登録変更が完了していることを必須とする企業もありますので、必ず「入社日までに登録変更が完了していることが必要か」ということは早めに確認しましょう。弁護士会の登録変更を必須とする企業については、登録変更が完了した段階で、人事担当者にきちんとその旨報告しておきましょう。

3.法律事務所から一般企業の法務部に転職する際の手続き

一般企業の法務部員として転職する場合、弁護士登録が必須とされないことがあります。特に、「弁護士資格不要の法務部員」という求人の場合は、転職後に弁護士登録が必要とされません。このような場合、弁護士登録を維持するかどうかは、ご自身が自由に選ぶことができます。

弁護士登録を抹消する場合には、弁護士会での手続きが必要です。弁護士登録を抹消した場合、弁護士国民健康保険組合(弁護士国保)、日本弁護士国民年金基金(年金基金)の加入資格を喪失するため、これらの脱退手続きも必要となります。

弁護士国保を継続したい場合など、何らかの理由がある場合は、そのまま弁護士登録を継続することができます。ただし、この場合は弁護士会費を自分で負担しなければいけません。また、弁護士登録を続けると、弁護士会の会務活動や公益活動に従事する義務も続きます。転職先の企業によっては、会務活動や公益活動を許可してもらえない場合もありますので、これらの活動を行っても良いのかについては、あらかじめ転職先に確認することが必要です。

転職先から会務活動や公益活動の許可が出なかった場合は、当該活動を免除してもらうために弁護士会で手続きを行わなければいけません。免除の手続きは弁護士会によって異なりますが、例えば東京弁護士会の場合は、「公益活動等負担金制度」という代替制度があります。この制度では、義務履行ができない理由を説明して負担金5万円を納付すると、活動義務が免除されます。

4.弁護士が法律事務所を辞めるときの流れ

法律事務所を退所する際には、引き継ぎをスムーズに進めるためにも、内定先への入社(入所)意思を固めた段階で、できる限り早めに現在の所属事務所に退所の意思を伝えましょう。引き継ぎにどれくらいの時間がかかるかは、所属している事務所の規模や担当している案件によって異なります。チーム制で案件を処理している場合は、比較的スムーズに引き継ぎを進めることができるでしょう。一方で、一人で案件をこなしている場合や、複雑な案件や長期的な案件をメインで複数担当している場合は、資料の整理やクライアントへの説明が必要となるため、引き継ぎに時間がかかります。小規模な法律事務所の場合は、代わりの弁護士が入所してくるまで引き継ぎを始めることができないという可能性もあります。

このように、退所までにどれくらいの時間がかかるのかはケースバイケースで異なります。引き継ぎのトラブルを避けるには、できる限り早い段階で退所意思を伝えておくことが得策です。気持ちよく退所日を迎えるためにも、きちんと対面で退所の意思を伝え、お世話になっている事務所との信頼関係を壊さないように配慮しましょう。

また、「法務求人.jp」では退職交渉について執筆しています。
「退職交渉はいつ誰から始める?タイミングと切り出し方をエージェントが解説」

5.まとめ

今回は、弁護士が転職する際の手続きについて紹介しました。弁護士の転職手続きは、転職先が法律事務所なのか一般企業なのかによって異なります。一般企業に転職する場合であっても、転職先が弁護士登録を必要とするかどうかによって、手続きの流れが異なります。

いずれにしろ、弁護士の転職手続きにはある程度時間がかかります。転職が決まったらすぐに大まかなスケジュールを立てて、粛々と手続きを進めましょう。C&Rリーガル・エージェンシー社は、弁護士に特化した転職エージェントとして、弁護士の転職に関する総合的なサポートを行っております。転職の手続きや流れについてもアドバイスしておりますので、手続きについて分からないことがある方は、いつでもお気軽にご相談ください。

記事提供ライター

元弁護士 ライター
東京大学卒業後、ロースクールを経て新司法試験に合格。弁護士として知的財産業務、企業取引等のビジネス関連の業務を扱う。現在は海外に在住し、法律関連の執筆や講演を行う。

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