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転職ノウハウ

裁判官から弁護士に転職する方法と手続き

目次
  • 1.裁判官と弁護士の違い

  • 2.裁判官から弁護士に転職できるのか?

  • 3.裁判官から弁護士になる人はどれくらいいるのか?

  • 4.裁判官の転職理由

  • 5.裁判官から弁護士になった人の事例

  • 6.裁判官経験がある人は弁護士としてどのように活躍できるのか?

  • 7.裁判官が弁護士への転職を成功させるためには

  • 8.まとめ

裁判官から弁護士に転職するためにはどうしたら良いのでしょうか?株式会社C&Rリーガル・エージェンシー社は、法曹界に特化した専任エージェントとして、裁判官や検察官(検事)からの転職のご相談を受け付けております。そこで今回は、裁判官が弁護士に転職する理由や裁判官が弁護士に転職する流れについて紹介します。

1.裁判官と弁護士の違い

そもそも、裁判官と弁護士はどのように違うのでしょうか?

裁判官は、事件の当事者から直接相談を受けることはなく、あくまで中立公正な立場で事件を審査します。和解の場で当事者を説得することはありますが、基本的には当事者と直接対峙することはめったにありません。当事者のどちらか一方の味方をすることはなく、俯瞰的な視点で判決を下します。

これに対して弁護士は、事件の当事者から直接相談を受け、その当事者にとって最善の解決方法を探ります。弁護士は当事者との距離が近く、ときには当事者との二人三脚で事件の解決に当たります。当事者の気持ちに寄り添い、その当事者にとっての利益が最大となることを目指します。

また、裁判官と弁護士は、待遇面でも異なります。裁判官は公務員として雇用されており、「裁判官の報酬等に関する法律」によって給与が決まります。例えば、裁判官初年度の月額報酬は23万4,900円であり、最高裁判所長官になると月額報酬は201万円となります。法律によって給与が決められているため、不本意な理由で給与が下げられることはありません。他者の圧力によって昇給が阻まれることもありません。同期の裁判官であれば概ね給与は横並びとなり、勤務地や業務内容によって若干の差が出ることはありますが、大きな差がつくことはありません。

裁判官の報酬等に関する法律(令和元年法律第五十八号による改正)

これに対して、弁護士は自由業であるため、所属事務所の規模や個人の能力によって給与に大きく差が出ます。「平均年収.jp」というサイトの調査によると、弁護士の平均年収は1,029万円ですが、弁護士の中には年収数億円の人もいれば、年収400万円前後の人もいます。このように、一言で「弁護士」といっても、給与に大きな違いがあり、どれぐらい稼げるのかは所属する事務所や個々の能力によって異なります。

弁護士の年収について詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。

弁護士の年収はいくら?開業独立と勤務弁護士の給与や収入を比較!

さらに、福利厚生の面でも裁判官と弁護士は異なります。裁判官は公務員であるため、退職金や年金の制度が充実していますが、弁護士の多くは個人事業主であるため、このような制度がありません。弁護士は、確定申告などの税金の手続きも自分で行わなければいけません。なお、保険や年金については、弁護士国民健康保険組合や弁護士国民年金基金などの制度がありますが、これらの費用は自分で支払わなければいけません。

2.裁判官から弁護士に転職できるのか?

裁判官が弁護士に転身するためには、弁護士会に新規登録することが必要です。新規登録には時間がかかるので、退官から入社/入所までにブランクが生じることがあります。退官から入社/入所までにブランクを生じさせたくないという方は、転職エージェントにご相談ください。登録までにどれくらいの時間がかかるのかは、弁護士会によって異なりますが、東京弁護士会の場合は、およそ3ヶ月ほどかかります。詳しいスケジュールは、下記のリンクをご参照ください。

東京弁護士会・新規登録(元判事・元検事)

弁護士会に新規登録するためには、戸籍謄本や司法修習修了証書などの書類が必要です。裁判官の場合は、これらに加えて、在職証明書原本や退官予定証明書原本なども必要となります。発行までに時間がかかる場合もありますので、どのような書類が必要になるかは早めに確認しておきましょう。

3.裁判官から弁護士になる人はどれくらいいるのか?

日本弁護士会連合が発表した統計によると、2019年度の弁護士登録者数は1,629人で、そのうち46人が元裁判官です。つまり、新規登録弁護士の約2.8%が、裁判官から転職した人です。この統計を見ると、毎年およそ30〜50人の裁判官が弁護士に転職していることが分かります。

【日本弁護士会連合】
年度別弁護士登録者数とその内訳(弁護士登録前の職業と資格取得事由)

4.裁判官の転職理由

裁判官が転職を考える理由はケースバイケースですが、転勤を理由として退官を考える人が多いようです。検事と同様に、裁判官の仕事には転勤がつきものです。一般的には、およそ2年半〜3年ごとに配属先が変わります。若手のうちは、都市部と地方を交互に回ります。あらかじめ配属先の希望を出しておくことができますが、必ずしも希望通りの場所に配属されるとは限りません。裁判官の転勤は、定年するまで続きます。

このため、親の病気や介護のために実家を離れることができない人や、子供が転校先の学校になじめないと悩んでいる人は、転勤を繰り返すことが難しくなり、転職を考えるきっかけとなります。マイホームを購入するタイミングで、転勤を避けたいと考え始める人も多いようです。

また、再任のタイミングで転職を考え始める人もいます。判事補の任期は10年であるため、10年経った時点で再任願いを提出していなければ、任期満了によって退官となります。つまり、再任のタイミングで弁護士に転職をすると、比較的円満に退官することができます。このため、再任の時期が近づくと、「このまま裁判官を続けるのか、退官して別の仕事に就くか」ということに悩む人もいらっしゃいます。

さらに、子育てを理由として転職を考える人もいます。裁判官は、「裁判官の育児休業に関する法律」という法律によって、育児休暇を取得する権利が保障されています。しかし、実際に育児休暇を取れるかどうかは、配属先の職場の雰囲気や担当している案件によって異なります。育児休暇を取れたとしても、裁判官には夜間・休日の令状当番があり、中には残業や休日出勤を避けられないほど激務の職場もあるため、子育てをしながら裁判官を続けることが難しいケースもあります。このような場合には、裁判官を辞めることが選択肢の一つとなります。

裁判官の育児休業に関する法律

5.裁判官から弁護士になった人の事例

実際に裁判官から弁護士に転職した人のケースを見てみましょう。

今回ご紹介するのは、裁判官として10年弱ほど勤務された方です。子育てを機に「ワークライフバランスを大切にしたい」と考えるようになり、株式会社C&Rリーガル・エージェンシー社にご相談にいらっしゃいました。

転職先のご希望としては、「地元で働きたい」ということだったので、地元の企業や法律事務所を複数ご紹介させていただきました。最終的には、企業法務を中心とした法律事務所に転職されました。実際に入所された法律事務所は、リモートワークが浸透しており、在宅勤務と出勤をハイブリッドで組み合わせることができるため、子育てと仕事が両立できる環境が整っており、このことが内定受諾の決め手となりました。

6.裁判官経験がある人は弁護士としてどのように活躍できるのか?

裁判官の経験がある人が弁護士に転身すると、どのような強みがあるのでしょうか?

任官者は司法試験上位合格者や司法修習時の成績上位者であるため、地頭が良く、起案能力が高い人物として評価されます。また、裁判官自体の人数が全体的に少ないため、希少な人材として重宝されます。

最大のメリットは、裁判所のノウハウを把握している点です。弁護士の仕事では、「裁判官をどうやって説得するか」ということが重要な課題となります。どのような証拠が裁判官の心証を左右するのか、どのような言い回しをすると裁判官の琴線に触れるのか、ということを常に考えながら紛争解決に当たります。このため、裁判官が判決を出すまでにどのような思考プロセスを辿るのかを熟知している人は、弁護士として大きなアドバンテージとなります。

また、裁判官の特質を把握している点も高く評価されます。裁判官の性格や特徴は外部からは分からないため、法律事務所の弁護士では知ることができません。裁判官の経験がある人は、「この裁判官は直前に書類を提出することを嫌うので、早めに出しておこう」という計画を立てたり、「この裁判官を説得するためには、申述書よりも資料が有効だ」などの戦略を立てることができます。このような効果的な訴訟戦略を立てることができる人は、希少な人材として重宝されます。

7.裁判官が弁護士への転職を成功させるためには

裁判官の場合、民事部か刑事部かによってキャリアの幅が変わります。刑事に力を入れている法律事務所の数は全体的に少ないため、刑事部の裁判官は、どうしても転職先が限定される傾向があります。20代から30代の若手裁判官の場合は、ポテンシャル採用として民事系の事務所を狙うことができますが、年齢が上がると選択肢は狭まります。このため、転職をお考えの方は、できるだけ早めに転職エージェントにご相談されることをお勧めいたします。

民事部の裁判官としてのキャリアがある場合は、企業法務系の法律事務所で高く評価されます。特に、企業間の裁判を担当した経験がある人は、企業法務系の大手法律事務所から重宝されます。ただし、契約書レビューの経験が全く無い場合は、即戦力としては評価されません。20代から30代の若手であればポテンシャル採用の可能性がありますが、40代以上のシニアになると、実務経験無しで企業法務系の事務所に転職することは難しくなります。

もちろんシニアであっても、応募書類を工夫したり面接対策を綿密に行うことによって、採用の可能性は高まります。このため、年齢や経験に応じて転職の戦略を立てることが重要です。大切なのは、裁判官としての実務経験と求人内容をマッチさせることです。どのような戦略を立てたら良いのか分からないという人は、転職エージェントにご相談ください。

8.まとめ

今回は、裁判官が弁護士に転職する流れや、裁判官が弁護士に転職した場合の強みなどをご紹介しました。裁判官は、法曹界で希少価値が高く、法的素養の高い人物として評価されます。裁判官のキャリアを活かして弁護士として活躍するためには、年齢や経験に応じて転職の戦略を立てることが重要です。株式会社C&Rリーガル・エージェンシー社は、法曹業界に特化した転職エージェントとして、多数の転職活動をサポートしております。裁判官や検事の方からのご相談も受け付けております。弁護士としてのスタートを切るのにふさわしい転職先を見つけるために全力でサポートさせていただきますので、転職をお考えの方はいつでもご相談ください。

記事提供ライター

元弁護士 ライター
東京大学卒業後、ロースクールを経て新司法試験に合格。弁護士として知的財産業務、企業取引等のビジネス関連の業務を扱う。現在は海外に在住し、法律関連の執筆や講演を行う。

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